罰ゲーム倶楽部 第3ゲーム  ケイドロとお姫様


「優衣、奥の席に行こうか」

 

「うん!」

 

「おいおい、冷めてんな〜」

 

「楽しく行こうぜ、楽しく」

 

 周りからの野次を受け、優衣は「うるさいよ!」と叫ぶ。それを見た彩はフフっと笑った。

 

 

「優衣、ここ座れ! ここ!!」

 

 和也が自分の隣の席を指差す。優衣は和也の席を見た。

 カウンターに所狭しと置かれているビンビールとチューハイ。すべて和也が注文したものに違いない。

 

「やだ」

 

「何でだよ!?」

 

「だって和也、お酒の神様みたいになってるんだもん」

 

 優衣がそういうと、和也はゆっくりと頷いた。

 

「お酒の神様かあ〜。いいなあ、それ。俺はお酒の神様になりてえよ」

 

 どうやら和也はもうすでに出来上がっているらしい。

 

 辺りを見回すと、麻紀は机に突っ伏したまま、

「も〜飲めにゃい。も〜飲めにゃい」と連呼していて、周りのメンバーから笑われている。

 

 啓祐は上半身裸でシャドーボクシングをしていて、いつもとは逆のアグレッシブさに優衣は少しウケた。

 

 そして、一番気になるのは、カウンターに実が立っている事だった。

 


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