10月20日
〜横浜編2〜
月餅は中華街の名物の一つ。それを僕は一年前に初めて知りました。
今までは家であのお菓子を出されても、老人の食べ物だとしか思えず、丁重にお断りしていたのですが、
前回横浜に来た際に彼女に進められて食べてみた所、なかなか美味しくてびっくりしました。
「ナッツがたくさんつまってるんだね」と笑いあったのは懐かしい思い出です。
しかし、隙を見せたらつけこんでくるのが中国人(と僕は思っている)。
月餅がすべて素晴らしい物だと思ったら大間違いです。
僕らが次に選んだのは中華街にポツンと埋もれたお土産屋さんです。店内に豪華さはありませんが、
その親しみ易い雰囲気は「ひょっとしたら安いんじゃないか?」という淡い期待を持たせるには十分でした。
しかし、月餅はどこもかしこも高く。貧乏人はただ涙を飲むのみです。
でも、神様だって鬼じゃありません。ちゃんと救済措置はあります。
「私、貧乏だけど月餅が食べたい」そんな人の為にあるのが小月餅シリーズ。小月餅はお金のない僕らの味方です。
早速試し食いをしてみます。
良さげだったら彼女はそのままお土産用としてもうひとつ買うようです。
まず買ってみたのはナッツぎっしりの伍仁小月餅。
2人で半分分けして食べてみました。
「ナッツがいっぱい入ってる。これいいじゃん」
「あたしはちょっと入り過ぎだと思う。探してるのはこういうのじゃないな」
へえ。入り過ぎもだめなんだ。
ナッツがたくさん詰まってるかどうかでしか物事の価値を見いだす事ができない僕は彼女を改めて尊敬しました。
さて彼女が選んだのは荳沙月餅というクルミ入りの月餅のミニバージョン・荳沙小月餅です。
「これ、ちゃんとクルミ入ってるかな?」
彼女はちょっと心配そうな様子。
「入ってるでしょう。だってさっきの小月餅にはちゃんとナッツ入ってたじゃん」
「でも、なんか見本が中身を見せてないんだよね」
「平気平気」
僕はあのときの能天気な自分を殺してやりたい。
何故なら彼女と家に帰って食べた荳沙小月餅は、どれだけ食べ進めても黒いあんこしか出てこなかったのですから。
もうね、焼き土下座[(c)賭博黙示録カイジ]の器具があったらやってるわ。2秒と持たずに失神するだろうけど。
という訳で最悪の災厄にあい、間違った月餅を購入。
この時は当然間違いに気づかないまま、能天気に中華街をぶらつきます。
ちなみにこんな物もありました。
ふつうの大きさの5倍はあるであろう巨大月餅。分かりづらいけど巨大なんです。
なんで普通の月餅と一緒に撮って大きさの比較をしなかったのか、自分を殺してやりたい。
もうね、ブレイブ・メン・ロード[(c)賭博黙示録カイジ]があったら参加してるわ。
最初の5メートルで落下するだろうけど。
他にもチョコレート月餅とかあった。
イロモノっぽい雰囲気だけど、なんかの菓子博覧会で奨励賞を獲っていたので味は悪くないのでしょう。
月餅はこんな感じですね。さて、能天気にぶらつく僕らの前に、肉まんの香りが広がります。
「あ、これ美味しそうじゃない?」
次に目についたのは世界一の肉まんという店。
さすが中華街。世界一の肉まんが食べられるとは、大したものです。値段も90円とリーズナブル。
中華街の肉まんは大体300円位しますからね。
「2個買おうか」
「食べられるかな? 今、結構お腹いっぱい」
ならば2人で半分分けすることにして一つ購入。
しかし……。
ちっちゃいよ! びっくりしてちょっと食べちゃったよ!
大体小籠包位の大きさでした。なんなんだ。この物価の高さはよ。
すぐさまもうひとつ購入し、2人で一個ずつ食べました。
ここからはブラブラ歩きモード。特に何を買うでもなく、目についた場所に寄り、ウィンドウショッピングを楽しんだりします。
「吉本面白水族館だって。入ってみる?」
「あたしはいい」
なるほど。吉本と聞くと絶対に笑えると思い込んでしまう僕は、
平然と吉本をはね除ける彼女の凛とした態度に改めて尊敬の念を抱きました。
ていうかむしろ彼女はこっちに興味を示したぐらいの興味の無さだった。
オーラ・チャクラが写真になります。
ここら辺にはあまり長居しないほうが良さそうです。
あ、なんだあの看板は。
元祖パンダまん
何が入っているのか知らないが、もっと美味しそうに食べたほうがいいのでは?
路地裏に入ると閑散とした雰囲気。
細い道にポツンとあるお店がなんか名店っぽい。
永福と読むのかな?
「あ、キムタクがなんか食べてるよ」
「しずちゃんの写真もあるね」
まあ、飯に関してはすでに食べているのでそれほど興味も持てませんが。
名店みたいな店を見つけると再びやっちゃった感が沸き上がります。
何故速攻で飲食店を選んでしまったのか。
でも中華街のディスプレイは割りと派手でいいですね。
フカヒレ。
天然のフカヒレである事の証明もあります。そんな物をいちいち用意されると、
料理に使われてるのか逆に怪しい。
伊勢海老タワーもありました。やっぱり海老が好き。でも僕は伊勢海老のでかさが少し怖い。
そして一番印象に残っているのがこれ。
どうぞお座りください。
この椅子を見たとき、実家を思い出した。それは実家で兄にやらされていた日課をそのまま石像にしたかのようにリアルだった。
トラウマが甦った所で今回は終わり。次回は知られざる中華街に迫ります。
そして、そんなにネタもないので、中華街を出ます。
今回は皆さんの大好きな東方神起でお別れしましょう。