2010年7月15日
「告白」 (100点満点中85点)
週末に観てきました。
今回は映画館という事で、チケット代金の支払い時に、精一杯シニアらしい動き(ぜんまい切れかけのロボットみたいなダンス)をしたのですが、料金は一般でした。
さて、期待の映画です。中島監督には「下妻物語」でガッチリと心を掴まれたので、
今回も楽しみにしてましたし、期待した通り非常によかったです。この監督は全然ハズさないですね。
「私の娘は殺されました。犯人はこのクラスにいます」
というフレーズで始まる予告はミステリー色が強いですが、誰が殺したかという問題を長々と引っ張っていくようなストーリーではなく、
事件が発覚した後の日常を追います。
原作では、一話目が特に強烈で、不幸な連鎖のパズルの見事なハマりぐあいに圧倒されたのですが、
映画では全編に渡って強烈でした。
というのも、この告白という作品は、主要人物の心理描写がかなり練られた作品で、作者としてもそこが押しなのだと思います。
しかし、意外性重視のためか、ド派手な事件に対してあっさりとした描写で済ませる傾向があり、そこには少し物足りなさを感じました。
そのタンパクな部分を監督が派手な演出でガッチリと作りこむ事で、より楽しめる作品になってます。
暗い映画って、僕は一度観たらもういいやってなるんですが、この映画は全然もう一度観れますね。
何故かというと、人の残酷さを全面に押し出しているのに、それを感じさせないからです。
これは話の内容に沿って加害者と被害者の主観(主役)が入れ替わる話の構成をする事で、誰に感情移入していいのかわからないという作りが良い形で機能しているおかげでしょうね。
あ、それと僕が毎日残業ばかりで日付が変わるまで帰れない事も、残酷さを感じない事に何か関係があるのかもしれません。
まあ長々と書き綴ってきましたが、この映画が伝えたい事は単純ですよ。
「他人の子供だろうがなんだろうが、悪いことをしたヤツは本気でひっぱたいていきましょう」って事です。
まあ映画の登場人物達はちょっとやり過ぎですが、
「ビール瓶で頭をカチ割るくらいなら日常でガンガンやっていいと思うよ」
っていう作者の柔らかいメッセージを、僕は確かに受け取りました。
楽しめます。