2010年7月22日
「トイ・ストーリー3」 (100点満点中90点)
ちょっと小学校の同窓会に行ってきたんだけど、僕の同級生は全員イラン人の上、25歳にして全員ハゲてたので僕は改めて自分の運命を呪った。
とはいえ、ハゲてても僕の同級生であり、大切な友達である。ハゲの集まりでもやはり同窓会は嬉しいイベントなのだ。
みんなが今どんな仕事をしているのか、どこに住んでいるのか、
貯金はいくら持っているのか。キャッシュカードの暗証番号は何番なのか。聞くことはいっぱいある。
しかし、実際はそんな話は一切出ず、みんなアリー・ハーメネイー(イランの最高指導者)の話しかしなかった。
いや、正確にはアリー・ハーメネイーの話でしか笑わなかったというのが正しい。
しかも、笑うと言っても純粋な笑みではなく、なんか不敵な笑み。昔と全然変わらない。
僕は思いきって立ち上がり、みんなに向かって言った。
「ねえ、みんな、せっかく久々に会ったんだからケータイのアドレス交換しない?」
「あー、ごめん。今、潜伏中だから無理」
「あ、私、死んだ事になってるから無理」
「今、ケータイを爆弾に改造してるから無理」
「アリー・ハーメネイー様(イランの最高指導者)に聞かないと……」←ママに聞かないと、みたいな。ここでみんな笑う。不敵な笑み。
と、終始こんな感じなので僕はため息をつきながらチビチビとお酒を飲むしかなかった。みたいな事を書きたかったのだけど、普通に仕事のせいで同窓会に行けなかったので、
会社に底知れない恨みを持ちました。しかし何故か会社に向かうはずの怒りのベクトルが同級生に向かってしまい、気がつけば僕は同窓会の幹事に向かって「お前を真剣に呪う」というメールを出していました。
いや、でも実際問題、懐かしの恩師も来たのかと思うと悲しいです
。先生にはたくさんの事を教わりましたから(冷房がガンガンに効いた部屋でダッシュすると、かなり涼しいとか)、一言お礼を言いたかったです。
というわけで、生きる気力がなくなりそうだったので、せめてもと映画館に行きました。なので今回の更新は映画レビューです。
ちなみに僕のレビューが毎回高い点なのは、面白かった映画以外は書かないからです。「コイツはなんでも面白いって言うな……」とか思わないで下さい。不愉快です。
さて、今回観てきたのはトイ・ストーリー3。
大ヒット映画「トイ・ストーリーの3作目です。ヒットメーカーのピクサーが「売れるから」という理由だけで続編を作るとは考えづらく、
何か作りたいストーリーがあったのだと考えるのが妥当でしょう。
今回のテーマはオモチャにつきものの「別れ」ですね。大人になり、遊んでくれなくなったアンディに不満を感じながらオモチャ達は日々を過ごし、
思いもよらない別れが自分達のいるべき場所を模索するきっかけとなります。
「オモチャにとっての幸せは人間に遊んでもらう事」
人間を楽しませるために生まれたオモチャが、人間に遊ぶ事を強いるのは矛盾ですが、この映画はそんなオモチャと人間の恋愛にも似た要素が軸になっています。
ずっと一緒にいて欲しい。オモチャ達の強い願いは、大人になった持ち主の愛情に不信を抱く原因となり、やがて大きなすれ違いを生みます。
オモチャに飽きてしまい、遊ばなくなるなんて事は、みんな普通に経験することで、だからこそオモチャ達の切なさが素直に胸に入ってくるんですよね。
でも終始そんなセンチな話が続くのかっていうと、全然違います。そんな寂しいだけの話なんて娯楽作品として面白くないですから。
オモチャ達が幸せを得る為に必死に闘う姿を「笑い」と「スリル」に乗せて送るのがいつものトイ・ストーリーの姿で、今回もそれはもちろん健在です。
ストーリーに盛り込まれたオモチャ達ならではのギミック演出は見事としか言いようがなく、最後まで退屈することはありません。
ちょっと個性の強いキャラがいるので、今回は今までよりも笑いの要素が強いのではないでしょうか。
無駄のないストーリー展開の中で、伏線をはりつつ、ラストはきっちりと決める。
ありきたりな展開ですませない所はさすがピクサーです。色々考えさせられるいい映画でした。
ただこれからはオモチャで遊び終わったら紐でガッチガチに縛りますし、バラバラに解体します。
オモチャを捨てるときは火に放り投げるか、箱に詰めて鎖でガチガチに固め、海に沈めます。
上半身はメキシコに、下半身はイラクに、眼球はユナイテッドステイツ・アメリカに送ります。
捨てても捨てても帰ってくるオモチャとか気持ちが悪くてムリなんで。
ちなみにオモチャの中にトトロが出てます。宮崎駿監督へのオマージュなんだとか。嬉しい。