駄菓子屋の前を通ると、いつも思い出す。
あの頃僕はまだ純粋な子供で、駄菓子屋のおばちゃんと真っ向から戦う技術も持っていなかった。
でもこれだけは言える。
僕のくじは絶対当たってたんだ。
僕の通う駄菓子屋には当たり付きガムという商品があった。
うすむらさき色のガムがはずれ、黒いガムがでたら50円分当たりという素晴らしい商品。まさにノーベル賞を受賞するほどの作品だ。
僕はその商品を夢中で買いあさり、うすむらさき色のガムがでては、泣きながら家路に着いた。
少ない小遣いで何度も何度も買う。
しかし、当然のように当たりはでない。
どうなっているんだ。この商品は。最悪だ。マジで終わってる。
だけど僕はあきらめなかった。
何度も何度も神様に祈った。
「どうかどうか、明日こそは当たりが出ますように」
次の日、僕は最後の勝負に出る事にした。
母の財布から当たり前のように100円を盗み、駄菓子屋に向かう。
駄菓子屋で当たり付きガムを購入し、中身を確かめた。
神様は僕の願いを叶えてくれた。
中身は黒いガム。50円分の当たりガムだった。
「あ、当たった……」
僕は高鳴る胸の鼓動を抑えながらおばちゃんの下へ向かった。
「おばちゃん、当たった。50円当たったよ」
しかし、おばちゃんの返答は信じられないものだった。
「いや、私にはうすむらさき色にしか見えないね」
「そんな、そんなわけないよ! 僕、毎日買ってるもん!! これは絶対に黒だよ!!」
「いいや、これはうすむらさき色だね」
狂ったようにうすむらさき色だとと連呼するババア。
本当にイライラした僕は一つの結論をだした。
よし、このババアを殺そう。
僕は店の冷凍庫からキンキンに冷えたガリガリ君を取り出し、
ババアの頭蓋骨を叩き割った。
「ぅあ……」
ババアが醜いうめき声をあげる。
僕はすかさず梅ジャムをババアの顔に塗りたくった。
「い、息ができない」
何が「息ができない」だ。俺が味わった苦しみはこんなもんじゃない。死ね! 死ね!! ババア!!
ババアは気絶した。
まあ、いいや。こんなモンで許しておいてやるよ。
僕はババアの鼻の穴に30円のシガレットを2本差し込み、駄菓子屋を後にした。
(↑これを差し込んだ。マジババア死ね!!)
これが僕の子供の頃の思い出。
今、思い出しても涙がでる。
ババア、好きだよ。(意味不明)