ビジラビ
〜ウサギサイト〜
6月4日
「日本で一番偉い人? そりゃもちろんEXILEのHIROっしょ!」
そう言ってケンジはド素人丸出しのダンスを踊りながら職員室に飛びこんだ。
体育の坂本先生に激しくぶつかったケンジは、首がすわってない赤ちゃんのように吹き飛び、顔を倍の大きさに腫らしてその場に倒れこんだ。
「ケンジ!!」
僕は思わず叫んだ。
何故止める事が出来なかったのだろう。ケンジがバカな事を言い始めたら、絶対にケガをしてみんなを嫌な気持ちにさせるということは、うちの学校では常識だったのに。
僕は己の無力さを思い知り、震えながらその場に立ち尽くす事しかできなかった。
ふと、過去の記憶がフラッシュバックする。
まだ幼い僕は、捕まえたバッタに逃げられ、さらに、バッタを掴んでいた手にウンコがついていた事にショックを受け、おばあちゃんに泣きついた。
「おやおや、それは困ったねぇ」
家の暖かい暖炉の光のもと、おばあちゃんは僕を優しく抱きしめ、加齢臭をさせながら、言った。
「魔法の呪文を教えてあげよう。リーテ・ラトバリタ・ウルス・アリアロス・バル・ネトリール」
「え? ……リーテ?」
「『我を助けよ。光よよみがえれ』という意味だよ。あなたが本当に困った時、この魔法を唱えなさい」
確かにおばあちゃんはそう言った。
本当に困った時とはどういう時だろうか。僕はケンジを救えなかった。
今、この言葉を唱えてもケンジが助かるとは思えない。
でも、もしもまだ間に合うのなら……。おばあちゃん、僕に力を借して!
「リーテ・ラトバリタ・ウルス・アリアロス・バル・ネトリール」
僕がそう唱えると、僕の胸にあるペンダントがまばゆい光を放ち、辺りを包みこんだ。
「え?」
光はそのままケンジを包み、ケンジは操り人形のように宙に浮かんだ。
「け、ケンジ?」
ケンジの顔の部分に特に光が集中し、顔の大きさが三倍、四倍と巨大化していく。
ケンジが……、ケンジが死んでしまう……。僕は拳を握りしめた。
ケンジの顔は五倍と六倍の間を往き来し、膨らんだり萎んだりを繰り返している。
十分くらい膨らんだり萎んだりを繰り返したので、最終的には結局五倍くらいに落ち着くのかな? と、思っていたらいきなり八倍くらいに膨らんだ。
「ラビハチ、ありがとうな」頭の中にケンジの声が響く。
「ケンジ? ケンジなのか?」
僕は宙に浮くケンジに向かって叫ぶ。
「ああ。お前が俺を助けようとするきもち、胸にしっかりと伝わってきたよ。俺はもう死ぬけど、最後に暖かい光を浴びられて良かった…」
「そんな……、あきらめるなよ! まだ助かるよケンジ!!」
「いや、無理だよ。なんか顔もでけぇし……。このまま死ぬよ。一つだけわがままを言わせてもらえるなら……」
ケンジは顔を更に大きくし、笑った。
「ラビハチには俺の事、ずっと覚えてて欲しいな」
「忘れられるわけ……、忘れられるわけないだろ! お前みたいに顔のでかいやつ!!」
「へへ。ありがとうな」
ケンジは本当に幸せそうに、安らかな顔をして眠りについた。
「ケンジは顔を大きくする事で、二酸化炭素を大量に吐き出し、地球温暖化に対する警鐘を鳴らしたかったのかもしれないな……」
坂本先生は体育教師丸出しの発言をしながら、ケンジの顔を空高く掲げた。
「シシ神よ!! 首をお返しする!! 静まりたまえー!」
坂本先生が叫ぶと、空から顔の大きな天使達が舞い降り、坂本先生の顔を一瞬で八倍の大きさにし、ケンジもろとも空に連れ去って行った。
さよなら。ケンジと坂本先生。ずっと一緒だよ。
ずっとずっと…。
あれから二十年の時が過ぎ、僕は十九歳になった。←超面白い。
時は良い思い出も悪い思い出もカルピスのように薄めていくけど、ケンジのあの巨大な顔は悪夢のように僕の脳に焼き付き、決して薄まる事はない。
たまにあの日の事を夢に見るけど、その日は大抵ひどい頭痛に襲われるし、体もだるい。
今日も一日が始まる。
快晴の空を見上げ、目を細める。
なぁケンジ。
今、進撃の巨人っていう漫画が連載されてるんだ。
お前みたいに気持ち悪いヤツがいっぱいでてきて、人間を食べてるんだよ?
空に向かって、ぽつりと呟いてみる。
「リーテ・ラトバリタ・ウルス・アリアロス・バル・ネトリール」
すると、僕の胸にあるペンダントから一筋の光が空に向かって伸びていった。
「え……?」
その光は、遥か遠くにある竜の巣をさし、雲の切れ間から巨大なケンジの顔が一瞬だけ覗いた気がした。
それは、本にすると七百ページを超える大長編。
「天空の城 ケンジ」の始まりを告げていた。
え? 主役は誰かって?
そりゃEXILEのHIROっしょ!!
12月4日
やあ、みんな久しぶり。ドナルド・マクドナルドだよ。最近ちゃんとハンバーガー食べてる?
もちろん食べてるよね?
食べてないやつにはケチャップかけちゃうぞ☆
そう言えば僕のお店、この前、アメリカで訴訟起こされちゃったよ。
なんかどっかの店舗のクソ店長の一人がさ、「太ったのはマクドナルドのせいだ」とか言ってきたわけ。
知らねーよ!(笑)
お前の不摂生のせいだよ!!(笑)
こういう訴えはアメリカでは割りと多くてさ、「一般人はマックを訴えてはいけない」的な法律が定められてる州すらあるわけ。
簡単に訴えが通っちゃうとこっちも商売にならないから。
でもなんかソイツはさ、店の商品の品質を管理する為にハンバーガーをしかたなく食べてたみたいな事言ってきてさ、
自分が太るのは逃れられない運命だったみたいな感じなわけ。
いやいやいや、こっちは別に頼んでないんですけど(笑)
で、裁判官も超バカだから、「あ、それはマックが悪いね」みたいな事言い出すのよ。
いや、悪くねぇよ。明らかに食ったヤツが悪いだろ。品質管理なら一口食べれば大抵分かるじゃん。
ある程度分担して一口ずつかじって、残りは捨てるとかすればいいじゃん。
マジみんなバカばっかだな。世の中にいるマックの店長が全員太ってんのか? 太ってねえだろ。
強制して食わせてる訳じゃねぇんだよ。ちょっとは頭使えよ。
で、まあ、結局ウチが敗訴したんだけど、これからその店長にいくら払わなきゃいけないと思う?
約1億だって(笑)
高っけー!! 一流の品質管理だなオイ!!(笑)
普通の人間が1億貯めるのにどれだけ苦労すると思ってんだよ。
お前、ハンバーガー食べてただけじゃん(怒)太るまで食べやがって。美味かったんだろ?被害者ぶるなよ!
もうすげえイライラしたから愛車のハーレーの後ろにハンバーグラーをビニール紐でくくりつけて引きずり回してやったよ。
あいつ普段すげえいきがってるくせに、こういう時になったら「やめてくださいドナルド様」だって(笑)
マジ根性ねーの(笑)
ちなみにグリマスは全然耐えたからね。何一つ文句言わずに。ちょっとは見習えっつーの。
まあ、グリマスは我慢しすぎて今結構深刻に入院しちゃってるけど(爆笑)
ってな感じでアメリカ人ってすぐに訴訟をおこすし、マジで絡みにくい奴らの集まりなわけ。
その点日本人は素晴らしいよ。訴訟ひとつない。せいぜいクレームぐらいでしょ?
従順で可愛い奴らだ。アメリカに尽くしてる。
マジで君たちの人の良さは異常。この間ディアボラチキンバーガーの材料がなくなったんだけど、
ポスターとか全然普通に貼ったままにしてみたんだよ。
普通はさ、「この商品は終了しました」とか追加でシール貼るじゃん?
ウチの店は全然遠慮なく宣伝してたからね(笑)
で、レジで注文されたら
「すみません。この商品は終了してしまったんです」っていうシステム。
こうするとみんな別のバーガー買っちゃうからね(笑)あり得ねー。
こっちも段々面白くなっちゃって、「かわりにダブルチーズバーガーセットはいかがですか?」なんて言ったりして(笑)なんの代わりだよ(笑)チキンですらない(笑)
でも日本人ってマジで……従順だよね。勧めると買ってっちゃうの。
「あー、じゃあダブルチーズバーガーでもいいか」っつって(笑)良くねーだろ(笑)
マジでこれがアメリカだったらすげえ訴訟起こされるからね。
「ディアボラチキンバーガーがなかったので精神に深い傷を負った」みたいな事言い出したり、
「代わりにダブルチーズバーガーをすすめられてトラウマになった。怖くて外に出られない」みたいな事を言い出して、ウン千万単位の金を請求してくるよ。
日本人って素晴らしいよね。
これからも店長が太っちゃうくらい美味いものをガンガン作っていくからみんなどんどんマックに足を運んでね。品切れになっても(笑)
ドナルドでした。
※ちなみにこの日記の登場人物の名前は全てネット上でのハンドルネームであり、実在のドナルドやハンバーグラー、
マクドナルドとは一切関係ありません。訴えるのはやめてください。それがきっかけで廃人になってしまいます。
11月28日
さて、今日は僕の誕生日です。
今年で6歳になりました。宜しくお願い致します。
今年の目標はつつましく、「年末ジャンボ宝くじを当てる」これにつきますね。
いや、マジで人生とかお金がほとんどを占めるじゃないですか。
「お金がなくても、あたし達家族は幸せよ」なんて言ってるお母さんとかもいますけど、
その家族にお金を渡したら絶対にもっと幸せになりますって。
っつー訳で当たらなかったら全然自殺とか視野に入れてますんで、 宜しくお願い致します。
昔から「広い視野を持て」って親から言われていますんで。 自殺とかも考えていきます。
あとはあれだな。知らないことにもガンガンチャレンジしていかないとな。
株式のトレーダーとかやってみたいな。で、儲けた金を使ってギロッポンでシースーをベーターしてえな。チャンネーと。
パイオツカイデーのチャンネーと。
と、いうわけで今年で6歳になりました。宜しくお願い致します。
11月24日
友人の谷山くんとコンビニに行くと、雑誌のコーナーで谷山くんがいきなり叫んだ。
「てめえら、何立ち読みしてんだ!」
谷山くんは立ち読みしている人達をどけ、ガラガラになった雑貨コーナーで鷹のように両手を広げた。
「立ち読みって本当に許せないよな! だって店員の邪魔になるだろ? だから俺は絶対に立ち読みはしないって、自分の中で決めてるんだ」
「へぇー」
偉いな。
立ち読みばっかりしている僕は谷山君の男らしい態度をみて、恥ずかしさを覚えた。
谷山くんは更に続ける。
「本当に許せないよ。店員の邪魔はさ。だから俺は立ち読みは絶対にしない」
そう言いながら谷山君は少年ジャンプのワンピースの部分を一話丸ごと破り出したから、僕は「え?」ってなった。
「な、何してんの?」
「何って、家で読むのさ」
家で読む?
まさか、持ち帰る気か?
「あ、もしかして、立ち読みするか心配してんな? 大丈夫だよ。寝ながら読むから」
そういう事じゃあ、ない。
「あ、そう言えば今日はヤンマガも出てるじゃん。ラビハチ、適当に色々破っておいてくれ」
そう言って谷山君はワンピースを破りきった。
僕は谷山君の頭の悪さが本当にイヤで、軽蔑の目を向けた。しかし、そんな事はお構い無しに谷山くんは漫画を次々と破っていく。
「そうだ、ラビハチの分も破ってやるよ」
「い、いや、いいよ。俺は立ち読みで充分だから」
「立ち読みはやめろ!」
谷山君の怒声が店内に響き渡る。
静まり帰った店内で、谷山君はゆっくりとつぶやいた。
「……立ち読みはやめろ。常識ねえのか……」
お前だよ!!
谷山くんはビッグコミックスピリッツを手に取り、「土竜(もぐら)の唄」を破り始めた。
「ラビハチ、土竜の唄好きだったよな?ほら、これ。もって帰って読めよ」
谷山くんが僕の上着のポケットに「土竜の唄」をねじ込んでくる。
「い、いらない!」
「またまた、読みたいクセに。あ、宇宙兄弟の最新刊も出てるじゃん。やっぱりまとめて読むのが一番面白いよな」
そう言って谷山くんは宇宙兄弟(11巻)を自分のカバンに詰めたので、僕は「え?」ってなった。
普通に万引きした……。
「もう一度言おう。俺は立ち読みをしない。絶対に」
谷山くんはまっすぐな瞳で僕を見る。その堂々たる姿は神々しささえ感じさせ、後光が差している。
谷山くんから出ている光はそのままコンビニ全体を包んだ。
光と共に宙に浮く谷山くん。眩い景色の中、彼は重々しく口を開いた。
「我は雑誌の神・谷山。光と共に現れ、毎週、面白い漫画を持ち帰らん」
まぶしいな。谷山くん。谷山くんは神様だったのか。
とりあえず僕は雑誌の神様である谷山くんを警察まで引きずっていき、これまでの経緯をすべて話してみた。
警察は神様でも裁く事が出来るのか知りたかったからだ。
そしたら谷山くんには割りと普通に前科がついた。
50万円以下の罰金というかなり痛い罰をうけた谷山くんは最初、大いに驚き、怪鳥のような奇声を上げて何度も警察に抵抗していたが、
警察が「これ以上暴れると公務執行妨害で逮捕するよ」という魔法の言葉を放つと嘘のように落ち着きを取り戻し、
「君達にはもう二度と会うことはないでしょう」と言い残して夜の街に飛んでいった。
その姿はとても寂しく、我が子に裏切られた母鳥のようだった。
胸がチクッと傷む。
いつからだろう。人間が神を裁けるほど偉くなったのは。
恐らくwiiが発売された辺りからだと、僕は思う。
スーパーマリオギャラクシーが発売された瞬間、我ら人間は神を超えた。
僕ら都会っ子〜横浜編〜
全4話。完結。10月24日
マキシマム・ザ・ホルモンのライブで首を振りすぎて、首をやった。
先輩達がライブ終了後に「あ〜、もう動けねえ」とか「明日絶対首上がらない」とか言ってたから、「なんだよ、みっともねえ」とか心の中で見下してたのに、
1日経った今、明らかに首が上がらない。自分の頭はこの首には荷が重過ぎる。
あと、今日は雨が降ることを1mmも想像していなかったので、外に干していた洗濯物がちょっと今面白い事になっている。
痛めた首と戦いながら、今日は結婚式用の小物のイラストを描いている。早く仕上げないと殺されてしまう。
忙しいのに全然お金がたまらない。世界不思議発見。
横浜編はまた近いうちに更新します。
10月9日
「インド人の先輩と、早く仲良くなりたかった……。最初はただそれだけだったんです」
ラビハチさんはそう語る。彼が入社したのは1年と10ヶ月前。社員全員がインド人ということに最初はかなりの戸惑いを覚えたというが、
1年の間にすっかりインドの水になじんだラビハチさんの一挙手一投足はまさにインド人のそれであった。
「CG制作という華麗な職種にあこがれて東京に来たはずなのに、気がついたら作ってるのはカレー。華麗ではなくカレーだったんです。思わず叫んでましたね。『ナンでだよ!!』って。カレーだけにね」
ラビハチさんはそう言って笑った。時折混じるウィットに富んだトークもまさにインド人のそれである。
ラビハチさんは都内に勤めるCGクリエイター。仕事では主にカレー系の映像・カレー系の印刷物・そしてカレーを担当している。残業を繰り返しながらも充実した日々を過ごしていたと彼は語る。
しかし、時に人生はカレーのスパイスのように厳しく人を追い詰める。
順調にいってたはずの仕事の雲行きが怪しくなってきた原因はナンにあったという。
ナンとはインド・中東等で食べられている窯焼きのパンである。インドの一般家庭料理と誤解されがちだが、窯を備えている家庭がそれほどないため、
「インド人は普段からナンを食べている」という認識は間違っていると言える。インドのナンはカレーとセットとしてインド料理屋に並び、現在は日本にも広く浸透している。その味は絶品である。
ラビハチさんはそのナンを雑巾と間違え、上司の机をがむしゃらに拭いた。これが確執の始まりだったという。
「いやあ、あのときは無我夢中でしたね。何をするのにも前しか見ないで頑張ってましたから。いきなり先輩が叫んだのでびっくりしました。
『私のヌーンに何をする!』とかいきなり肩をつかまれまして。うわ、この人雑巾に名前つけてるよ。怖い。と、思ったんですけど、ナンはペルシア語でヌーンとも発音するんですね。
今考えると何でペルシア語の発音なんだよ、とも思いますが」
入社してから今まで、とにかくがむしゃらにやってきたとラビハチさんは言う。ラビハチさんの頭に巻いてある使い古されたターバンが、今までの努力を物語っていた。
しかし、がむしゃらに頑張る事が100%良いかというと、一概にそうとは言えない。
現に、ナンの事件から1ヶ月後、ラビハチさんは上司の机に置いてあったカレーを誤ってトイレに流してしまう。
「あれは本当にミステイクでしたね。人間って1つの事に夢中になると信じられない行動をとってしまうものなんです。
なんで机の上に置いてあるカレーがウンコに見えたのか……、多分ノイローゼだったんだと思います。
毎日毎日カレーばっかり見ていましたから。過ちに気がついたのは昼で、上司がなんだかキョロキョロしてたんです。あれ、なんか探してる?ひょっとして机の上にあったアレかな?と。
『先輩の机の上に乗ってたウンコなら、トイレに流しておきましたよ』って微笑んだら、かつてないほどぶちギレられましたよ。『お前を決して許さない……!!』ってね。
僕はカレーだけではなく、インドの誇りまで一緒に流してしまっていたんです」
見た目だけ真似しても、インドのソウルだけは決して手に入らない。と、ラビハチさんは語った。
確かに社員の集合写真に写る彼の肌は周りと比べて明らかに白い。それはそのまま彼の心の白さを表しているのかもしれない。
その更に1ヶ月後。ラビハチさんは社長の口ヒゲをゴミと間違えて思いっきりちぎってしまう。
「ええ。口ヒゲだとは全く気がつきませんでした。『これ、捨てて来てあげますね』って引っ張ったら、社長がやけに着いてくるからおかしいなって……。
そのまま50メートルくらい引きずった所でようやく違和感に気づいたんです。
『あ、なんかこのゴミ、社長と繋がってる』って。でもヒゲだとは思わなかったから、一刻も早くとってあげなきゃと思って。全力でちぎっちゃいました」
一度できた溝は簡単には埋まらない。
現在、ラビハチさんは本格的なカレーのレシピを研究中だという。
「美味しいカレーを会社のみんなに振る舞う事で、自分も心はインド人である事を伝えられたらいいなと思ってます。それに、今はカレーとまっすぐに向きあって行こうって、純粋に思えるようになったんです。
やっぱりカレーは魅力的な食べ物ですから」と彼は爽やかな笑顔を見せた。
本日もラビハチさんは鍋にたくさんのスパイスを入れ、本格的なカレーを振る舞っていた。彼の差し出したカレーを食すと、不思議と人生の深みが感じられた。
そしてなんといってもすごいのは、彼は食事中にウンコの話をすごいしてくるという事だ。
インド人にしか不可能だと思われていたその荒業を軽々とやってのけるその堂々たる姿は、まさにインド人のそれである。
白いTシャツがカレー色に染まるように、彼のピュアな心はカレーと非常に相性が抜群だったようだ。
10月6日
コララインとボタンの魔女(100点中90点)
「え、映画って、さ、最高に興奮し、しますよね……。ひ、人の人生が、の、覗けるから……」←レンタルビデオ屋で映画を借りるときに店員に向かってこれを言うのがマイブーム。
「あ、あなたの人生も、え、映画になったら、か、借りたい……」
そう言えばナイトメアビフォークリスマスの監督ってずっとティムバートンだと思ってたんですけど、
名前をみたらヘンリー・セリックという明らかに聞いた事のない人が元気いっぱいに飛び出してきたので完全にアレルギー反応がでました。
ちなみにティムバートンは監督ではなく製作だったんですね。製作ってなんなんですか? いい加減にしてください。
というわけで、このコラライン(原題)はナイトメアビフォークリスマスでお馴染み? のヘンリー・セリック監督の作品です。
前から面白そうだと思っていたのですが、なかなか観る機会がなく、結局DVDになるまで待っちゃいました。
で、これすごく面白かったです。ビジュアルとアニメーションがかなりレベル高いし、独特。
「ナイトメアビフォークリスマス」と「コープスブライド」のダークな世界観が好きなら、この映画もかなり楽しめると思います。
特にアニメーションの凝りようは異常で、オープニングのアニメーションなんかはあまりに滑らかすぎてドン引きしました。
マジで3Dソフトで作ったレベルで、途中からもうパペットアニメーションだということを忘れてしまい、コララインが普通に実在する人間として観ちゃってました嘘です言い過ぎた。
でも本当に凝りかたがハンパじゃない。この作品は5年がかりで制作して主人公のコララインの表情は20万通りもあるそうです。多すぎる。
僕なんてここ数ヶ月間は2通りの表情しか使わずに人生歩んじゃってますけど。真顔と豚みたいな卑屈な笑顔。
人間はね、この2つの表情があればだいたい生きていけるんだよ。
ちなみに前作のジャックの表情は15通りだったらしく、映画紹介のチラシでは自慢気に比較してましたが、ジャックは人間じゃないから比べるのはどうかと思います。
だいたいジャックの表情は少ないだろ。観てて「コイツ、感情ねえな」って思ったもん。眼球すらないし。
でもなんでもかんでも比較したくなる気持ちも分かる。これだけ手がこんでたら、やはり売りこみたくなりますから。
とにかく優れたアニメーションで、これほど滑らかに動くパペットアニメみたことない。カメラもガシガシ動くから驚愕の一言。これだけでも一見の価値ありです。
ホラーとしてはライトなタッチで怖すぎず優しすぎずってかんじ。でもクライマックスはハラハラしますし、きっちり盛り上がります。所々面白い演出を混ぜる
からストーリー展開はありがちでも古さを感じないんですよね。映像作品ならではの良さが存分にでています。世代を選ばず見易いですよ。
ちなみにコララインの声はアイアムサムの子役・ダコタ・ファニングでした。もう結構大人になったのでしょうけど、子供の声もなかなか自然で良かったです。
キャラクターやコンセプトアートは日本人がやっていると聞いてびっくりしました。アニー賞を受賞したそうで、おめでたいですね。
「や、やっぱり映画って、さ、最高にいいものですね……。み、みんなも、そう思うでしょ……?み、みんなの人生も、み、観たい……」
9月15日
結構前からラジオで「100年後も残したい音楽」とかいう企画やってる。
これはタイトル通りリスナーから「100年後も色褪せない曲、聴いていたい曲」を募集するというものなんだけども、
100年後とか心底どうでもいい。極端な話、地球とか滅びててもいい。
つーか100年後の人にもオススメできる? おこがましくね?
はっきり言うけど、未来人は俺らのこと絶対に見下すからね。
100年後には人間とか超進化してっから〜、こめかみのボタン押せば頭の中に音楽流れるようになってるし、
唇の周りをiPodみたいに指でなぞれば音量変わるし、
お腹が液晶画面になっててミュージックビデオとか観放題だから。そんぐらいハイテク。これ確実。
天皇がどれだけ派手な顔の人と結婚しても、産まれてきた子供の顔が明らかに天皇になるくらい確実。
しかも未来は信じられない名曲で溢れてる。
もうね、コンピューターが進化しすぎちゃって、音の可能性とかすべて探りつくすから。
「作曲」ってボタン押してちょっと遊びに出たら、帰って来る頃には2万曲できてるからね。ニルヴァーナとかオフスプリングスレベルの曲がだよ?
そんな時代に残したい音楽?百年後の人達に聴かせてあげたい?
死ねお前ら!
西野カナ聴きながら壮絶な爆死を遂げろ!!
とかみなさんは思っているんでしょうけど、僕は全然思いません。だって、僕は今確かに音楽に救われているのだから。
辛い時、悲しい時、いつも僕を救ってくれたのは音楽でした。それはこれからも変わりません。
百年後に願いをたくし、庭に一枚のCDを埋めます。
どうかどうか、この名曲が100年後に届きますように……。
つじあやの「風になる」
thank you.
9月10日
「最初、世界には何もない空間・コーラーがただ広がっていました。そこにカオスが生まれ、世の中のありとあらゆる物質が生まれていくのです」
何気なくギリシャ神話見たらこんなこと書いてあったんだけど、カオスさんって、そんなすげーの!?
そのカオスって僕の想像するカオスとは少し違うみたいなのですが。
なんつーのかな。
飲み屋でベロベロに酔っぱらってる2人がまったく噛み合わない会話をしてるとしますよ。
1人は全然構ってくれない恋人の話。
もう1人はアフリカの呪術専門学校の前期カリキュラムについて熱く語ります。
そんな噛み合ってない二人の様子を眺めて、「うわ、あそこのテーブル、カオスだなぁ。気持ち悪りぃ」とかいう使い方が正しいのかなと思ってたのに。
新しい世界が生まれるきっかけになっちゃうの? 何故!? カオスってなんなの!?
例えばですよ?
僕の働く会社は映像制作会社で、クリエイティブ集団みたいな呼び方したらすげぇ聞こえがいいんだけど、
まあ普通のサラリーマンと比べて華やかな世界かと言ったら全く全然そんなことない。
むしろ殺伐としてて、すごくカオスだと思ってた。
テロップが一文字間違ってただけで食物連鎖の頂点みたいな顔した上司が発狂するまでどなってくるし、
そんな男らしいオジサンが、『私、恋をした☆』
みたいな女の子のファッションを大々的に取り上げたキラキラのムービーを作ったりなんかしたりするわけで、
これをカオスと呼ばずになんと呼ぶって感じだったんですよ。
いやいや。何間違っちゃってるの? と。
先輩が作るのは『休日は、野生のライオンと戦おう!!』っていうムービーでしょ? と。
しかもCGとかじゃなくて実際に戦うんでしょ? 己の肉体一つで。
そんな人が「見つかる☆私のファッションスタイル☆」みたいなナレーションを聴きながら、みずみずしいムービー作ってる所をみると、
「うわ、でたでたカオスだ! そんなの先輩らしくないよ。先輩は死んだ後、お寺の入り口で待ち構えてるでっかい仏像になるんでしょ? 金色夜叉みたいな顔しやがって」
とか思うのですが、これが本物のカオスだとしたら、会社に新しい世界が生まれちゃうの? 何その特殊ルール!? カオスってマジでなんなの?
さらに、そのキラキラムービーの驚異は僕も巻き混んで、「またこんな仕事はたくさんくるから、ちゃんと資料を見とけよ」
みたいな事を社長が言ってくる訳ですよ。カオス。
先輩「小悪魔ageha買っちゃった。へへ」
カオス。
ってわけで電車に乗ってても女の子の雑誌の広告とかに探して、ちょっとたそがれて、Oggi(オッジ)10月号の見出しでビビる。
「本命は3Dパンツ!」ってすげぇでっかく書いてあった。
3Dパンツって…、それは普通のパンツだよ。本命? 意味がわからん。
2Dのパンツとかみたことあるか? 股間っていうのは立体だから、パンツは3Dが普通だろ…?
…違うの…かい?
なんていうか、こうやって改めて考えてみると、世の中は意外とまともじゃないんだなって思う。
むしろまともな事の方が少ないんじゃないの?
いや、待てよ? 違う。僕のまともの認識がただ甘いだけだったんだ。まともの定義はおもったよりも広い。
みんながまともじゃないと思っているアレやコレもみんなひっくるめて実はまともな事だったのだ。
最終的に上司はすっごいキラキラするガーリーなムービーを作った。
え? これって女の子が作ったんじゃないの? ってくらいのキラキラ感と弾け飛ぶみずみずしさ。すげえ舌打ちしながら作ってたのに。
それはきっと当たり前の事なんだ。僕らが短い人生で身に付けた常識なんて、宇宙じゃなんの意味も持たない。
残業も休日出勤も、9月の祝日が1日も休めないのも当たり前。すべてまともな事。カオスっていうのはもっと深いところにあるんだよ。
これはきっと軽々しく使っちゃいけない言葉なんだ。
フラフラになりながら電車に乗ると、ミッキーの耳をしてる女の子達が幸せそうな笑顔を見せてきた。
平日にディズニーランド? 図に乗るな。その耳、引きちぎるぞ。
9月8日
ジュノ(100点中80点)
目を閉じて耳に手を当てると確かに聞こえる……。
みんながブラウザを閉じる音が聞こえる。
さて、映画レビューです。今回もちょっとメジャーっぽいですが、第80回アカデミー賞脚本賞受賞作品・ジュノです。
あらすじ
好奇心から好意を持つ同級生とセックスを試した16歳の少女・ジュノはあっさりと妊娠してしまう。
妊娠した彼女がとった行動は中絶ではなく、出産。そして、その子供を貰ってくれる義理の親を探すという、突拍子もないものだった。
こんな筋書きって、日本だと「これは…現実におきている話なのか…?」になるけど、外国だとすんなり入っていけるから面白い。
妊娠っていうデリケートな問題を抱えたバカな少女が、非常に理解のある親と友人に支えられつつ、成長していく物語です。
主人公がパンク好きで、生き方がわりとパンク寄りなので、絵に描いたようなアットホームというような雰囲気ではなく、
常に危うい空気がつきまとうのですが、観終わってみると全体的に暖かみのある映画に仕上がっている印象がありました。
物語の起伏自体はそれほど多くないのですが、ジュノの危ういセリフや行動がいちいち緊張感をもたせ、観ててハラハラします。
まあジュノは一見無礼でバカで、なんか親から「あの子と友達になるのはやめなさい。警察のお世話になっちゃうわよ。どうせ麻薬とかやってるんでしょう?」
みたいな事を言われそうなですが、感情移入して観るとジュノってすげえしっかりしたやつなんですよ。
常識がないながらも自分を持っているというか、コイツすげえ自信持って生きてる。
妊婦だから腹とかどんどん膨らんでくるんだけど、こいつ全然生活変わらないの。周りの目とか気にしないから高校全然休まないし、
フットワーク超軽いし。妊婦ってすげえ不安定なはずなのに、コイツ、全然ブレない。飛び蹴りとかしそう。
僕もジュノにカツアゲされたらお金出しちゃいますもの。
ここでいきなりですが妊婦にやられたら屈辱的な事をちょっと挙げてみますね。
☆☆妊婦にやられたら屈辱的な事☆☆
妊婦にヘッドバット食らう。
妊婦にマウントポジションをとられる。
妊婦に100メートル走で負ける
妊婦に演奏停止を押される。
妊婦が6分を超える曲ばっかり歌う。
「ああ、このCDいいなあ、癒されるなあ。今まで色々な音楽聴いてきたけど、これが僕のベスト盤だな」ってパッケージをみたら妊婦のために作られたCDだった。
妊婦「君ぐらいの才能持ってる人は、妊婦の世界にはゴロゴロいるよ」
この時間は「ハリーポッターと炎のゴブレット」を放送する予定でしたが、都合により、「妊婦の座談会」をお送りします。お楽しみください。
話は戻りますが、ジュノは自分は不幸だオーラを全然出さないので、そこが僕的にはすごくよくて、好感持って見れました。
一つ不満を言うなら、同級生の男が郡を抜いていてだせえのはいただけない。ジュノがなんで好意を持つのか、
ストーリー上でもっと説得力を持たせて欲しかったです。
まあ小さな問題ですが。
ゆるーい映画が観たい気分の時はこれを観たらいいんじゃないでしょうか。
そう言えばオープニングがなんか見覚えあるなと思っていたら、世界映像作品集スタッシュで観たことがありました。
映画のオープニングはやっぱり力はいっているな。
9月2日
「顔がお人形さんみたいで超可愛い」という理由だけで、僕は第二次世界メルヘン戦争に巻き込まれた。
そこは想像を絶する世界だった。
僕は戸惑いながらも日々の激戦を越え、ついに戦争の引き金を引いた悪の親玉と最終決戦を迎えた。
「ついに追いつめたぞ!アーノルド・シュワルツェネッガー(悪の親玉)め!」
2メートル程もある長身のシュワルツェネッガーを見上げ、僕は拳を握りしめる。
「まさか、本当にここまでたどり着くとはな。お前のその柔らかそうなほっぺたを侮っていたようだ」
そう言ってシュワルツェネッガーが笑うと、いきなり身長が三メートルに伸びた。
僕は怯えながらも、今まで場数を踏んできたお陰で、なんとかプレッシャーをはねのける。
「あ、あのとき、俺にトドメをささなかった事を後悔させてやる!」
「今度は以前の様に甘くはないぞ。フワフワのロールケーキで包み込んでやろう!」
「こっちだって!お前の全身をチョコレートでコーティングしてやるぜ!」
僕は四つん這いになり、『百獣の王・ヤギの構え』をとった。
それをみてアーノルド・シュワルツェネッガーの顔色が変わる。
「き、貴様、その構えは!」
「そう、メルヘンの最高峰、ヤギの立ち振舞いを俺はマスターしたのさ。正面からのリアルな顔をとくとみろ!!」
僕は首を傾げて、出来る限りのヤギっぽい顔をした。
「ぐわああ。リアルで可愛い〜」
アーノルド・シュワルツェネッガーが明太子クリーム色の血を吐き出して倒れる。
「俺の勝ちだ」
「く、まさかヤギ特有の毛並みの汚さまで再現するとは…。だが、まだだ!」
アーノルド・シュワルツェネッガーは立ち上がり、ふらふらと僕の方に近づいてくる。そのまま自分の着ているコートのファーの部分を指さしながら僕の隣に並んだ。
「ちょっとここ触ってみて」
「え、なんで?」
「いいから早く」
僕は言われるままにアーノルドシュワルツェネッガーの肩を触る。
「ちょっとこれ…。フワフワじゃないかー!(身体中に二億ボルトの電流が走ったような痛み)」
激痛に身を包まれ、僕は地面に膝をついた。
「どうだ。俺はどんな洗濯物でも柔軟剤をガンガンに使う。
そのこだわりが最高のソフトエレメント(メルヘン世界特有の、柔らかさを司る精霊達)を作り出すのさ」
「くそ、なんて威力だ!だがここで倒れる訳にはいかない。ヘーゼルナッツおじちゃん、力を貸してくれ」
※ヘーゼルナッツおじちゃん
誰よりもメルヘン世界に詳しいメルヘン博士。戦争のさいちゅうにうっかりエロ本を読んでしまい、メルヘン警察に逮捕される。終身刑。
僕は懐からシャボン玉を取りだし、シュワルツェネッガーに向かって優しく吹きかける。
ゆっくりとシュワルツェネッガーのもとに向かって飛んでいくシャボン玉。
シュワルツェネッガーが普通に横に避けたので、僕は慌てて声をかける。
「ちょっとそれ避けるなよ。マナー違反だぞ」
「あ、ああ。ごめん」
シュワルツェネッガーは元の位置に戻り、シャボン玉に当たった。
「ぐわあああ。なんというメルヘン!!まるで大砲に撃たれたようだー!!(身体中の水分が沸騰したかのようにボコボコと膨らむ)」
ついにシュワルツェネッガーが倒れた。
「俺の勝ちだ。さあ、マスクをとらせてもらうぜ」
僕はアーノルド・シュワルツェネッガーのマスクに手をかけ、一気に引き抜く。すると、中から世にも恐ろしい顔が出てきた。
「な、なんだその角張った顔は!! 顔が筋肉でできてるのか!?」
「見られてしまったか…」
シュワルツェネッガーは力なく起き上がり、自分の角張った顔を撫でた。
「見ての通り、俺の顔には丸みが一切ない。一切だ。びっくりするだろう。メルヘン王国のどこを探しても俺と同じような角張った顔はいなかった。
小さい頃からいじめられたよ。呪われた顔ってね」
僕はツバを飲み込んだ。
「その汚らわしい顔は…病気なのか…?」←超失礼
「生まれた時からこの顔だ!! くそ!! どいつもこいつもバカにしやがって、俺の顔を認めてくれるヤツなんて、この世界にはいないんだ。
自分が認められない世界なんて壊れてしまえばいい! 全部なくなってしまえばいいんだ!」
シュワルツェネッガーは大粒の涙をこぼした。
「……それで戦争を起こしたのか」
「そのとおりだ。しかし、もう願いは叶わない。世界がなくなってくれないなら、いっそ…」
「し、死ぬんすか? 自殺するなら僕、見てていいっすか?」
「ちょっと、そういう感じになっちゃうとすごく死にづらい。やめてよ」
僕はシュワルツェネッガーの肩に手をかけた。
「…俺もさ、死にたいって思うこと、何度もあるよ」
「嘘だ! そんな可愛い顔してるのに!」
「本当だよ。仕事は残業ばっかりだし、残業代は一切でないし、本格的に死にたい。仕事中はいつも死ぬことばかり考えてる。
でもな、心の生クリームさえ無くさなければ、嫌な事にも立ち向かえるんだよ」
「心の…生クリーム?」
「そう、心の生クリームさ! 嫌な事があったら全身に生クリームを浴びるイメージを描くんだ」
「何故?」
「幸せを感じるだろ?別に生クリームじゃなくてもいいよ。お前の好きなものを浴びればいい」
僕の言葉を聞き、シュワルツェネッガーは目を閉じて天を仰いだ。
「ああ。何となくわかったよ。確かに幸せを感じる。みんなが心に生クリームを持てば、世界は平和になるのかもしれないな」
「じゃあ、もう死ぬなんて言うなよ。お互いに頑張って生きようぜ」
そういって僕はできる限りヤギっぽい顔をした。
「ぐわあああ。リアルで可愛い〜!(コートがビリビリに破れる)」
こうしてメルヘン戦争は幕を閉じた。辛いことばかりだったが、僕達が過ごした日々は、決して無駄ではないはずだ。
だってこの戦争を通して僕の心の中に生まれた生クリームはいつまでも腐ることなく輝き続けるのだから……。
ふと空を見上げると、メレンゲのような雲の隙間からティラミスのように優しい朝の光が漏れ、僕の全身を優しく優しく包んだ。
FIN
ちなみにこの物語に登場するアーノルド・シュワルツェネッガーは純度100%の中国人であり、
あの有名なシュワちゃんとはなんの関係もありません。
訴えるのはやめてください。疲れてるのでそれが引き金になって廃人になるかもしれません。
8月8日
悪ふざけ
〜餃子を50個作って彼女の帰りを待とう〜
久々に餃子を食べたくなったので、50個作ってみます。二人分で50個です。もちろんご飯はおかわり自由。
彼女には「今日は餃子を50個作るから」とか一切言ってません。
ちなみに彼女は休日出勤です。お盆休みもおそらくないとのこと。僕もないです。
映像関係の仕事は休みをあんまり取れないなとつくづく思います。
そんな疲れきった彼女を待つおかずはまさかの餃子単品50個。もちろんご飯はおかわり自由。喜びのあまり発狂する彼女が目に浮かびます。
ちなみに今回はクックパッドに載っている、
えり侍さんの「ほっぺが落ちちゃう餃子」を参考にさせて頂きます。
あくまで参考です。えり侍さんの餃子を完全に再現したわけではありません。
ちゃんとしたものが作りたいのなら、えり侍さんの餃子を見てください。彼女は本当に素敵な人です。
さあ、始めよう。
まずは材料。
いきなり見づらいですが、キャベツ・牛豚合挽き肉・餃子の皮です。
にらは使いません。にんにく・しょうがは買い忘れたので、チューブのものを使います。
調味料はこんな感じです。
酒・ごま油・しょうゆ・オイスターソースです。
では調理スタート!!
まずは高速で逃げようとするキャベツを捕らえましょう。
キャベツは新鮮なほどよく逃げ回ります。素人は無理に手で掴もうとせず、網などを使用すると便利です。
キャベツをなだめます。「怖くないよ。すぐに終わるからね」
キャベツは臆病なので、優しい声をかけ、安心させてあげましょう。
ギャー(キャベツの声)
ここは一気に。
はい。切り終りました。
ここまでにかかった時間は5秒くらいかな。
切り終わったキャベツをボールに移します。
ひき肉もボールの中に入れ、二人の仲を深めます。
とてもシャイな二人ですが、密閉空間に入れることでとても打ち解ける事ができたようです。
さあ、ここでいよいよチェブラーシカの登場です。
ああ、本当に可愛い。
チェブラーシカをレンジに入れて10分間チンします。
ごめん!! うそだよ!!! 君にそんな事するわけないじゃないか!!!!
さて、気を取り直して、餃子を作ります。
にんにくとしょうがは買い忘れましたので、代わりにチューブのものを使います。
かけます。
なんか気持ちわりい。
続いて最初に書いていた調味料もかけてしまいましょう。
酒・ごま油・しょうゆ・オイスターソースをおおさじ2杯ずつ入れます。
ちょっと味が濃くなりそうな予感。でもひるまずに塩、こしょうも小さじで足します。
ちなみに上の画像は砂糖と塩が並んでいます。どっちが砂糖でどっちが塩でしょうか?
答えはね、教えねえよ! 自分で調べろグズ共!!(右が塩です)
あ、にんにくあったわ。
これはゴミ箱に、と。(残念ながら古かったです)
さあ、ここからはがんがん混ぜていきます。写真撮りながら作るのしんどい。
混ざった!!
いよいよ餃子の真骨頂。包む作業に入ります。あんに使用したひき肉は約300グラム分ぐらい+キャベツ4分の1ぐらい。
あ、これはあらかじめ決めていたのですが、余ったあんは全部捨てます。もったいないとか言うなよ?俺の金だ!!←最低
まあ、余らないように頑張ってつめてみます。
皮にあんを乗っけていきます。ちょっと多いけど、これぐらい乗せないと余りそうだ。
ギャー! はみ出た!!
でもこの調子でたくさん入れていこう。
くっ、やっぱりめんどくさい。餃子とか作るよりも買ったほうがいいよ。手間かかるし。
こ、これで半分。暑い中、ひたすらストイックに餃子を包んでいく。
そうすると不思議なもんで餃子に対する愛情が湧いてくるんですよ。
みんな可愛いな。食べちゃいたいくらい可愛いな☆☆
そして50個完成。なんと詰め込みすぎて逆に皮があまりました。これにはびっくり!!なので、ひとつだけ皮を二枚使った餃子になってます。
つ、つかれた……。
全然関係ない話しますけど、木村カエラのアルバムに「Hocus Pocus(ホーカスポーカス)」っていうタイトルがあるんですけど、
「ホーカスポーカス」って言うのは日本語に訳すと「チチンプイプイ」っていう意味なんだって。
木村カエラ可愛いな〜。
「ホーカスポーカス全員死ね☆☆☆」
さあ、餃子を焼きます。
油をしき、熱したフライパンに餃子を敷き詰め、水を200ml入れてみました。量と濃さからしてもっと多いほうがよかったかも。
ちなみに驚くほどまずそうなのは僕のせいであって、えり侍さんの餃子は本当に美味しそうにできています。
水分が無くなったら皿に盛って完成!!
タイトル「君がいた夏」
別アングルから。もう画像使うの疲れたよ。
そしてタイミングよく彼女が帰宅。舌打ちしながら帰宅。
さあ、50個餃子に対して彼女はどんな反応をするのか?
「作りすぎだ! バーカ!!!」
みたいな罵る言葉を期待していたのですが、
意外な事に「いい匂い」だの「おいしい」だの訳のわからない単語が飛び出したので、
僕は今まで発した事のない「ありがとう」という言葉を呟いていました。
今時の女の子は餃子50個くらいじゃあんまり驚かないんだな。
次からは彼女がちょっと外出した隙に50個作るようにしよう。
味的にはまあまあ美味しかったので、一口ずつかじった餃子を大家さんにおすそ分けしました。
えり侍さん。ありがとう。ちゃんと作らなくてごめんなさい。
クックパッド大好き。
8月6日
昔から兄がダボッとした服を譲ってくださるので、そんな感じの服装を好んでいるのだが、
最近は社会人らしくきっちりとしたシンプルなシャツをTシャツの上に重ね着している。
しかしTシャツがダボッとしているので、結局はだらしがない。社長にも「なんやねん。それ」と言われる。
ちなみに僕の着ている白Tは4XLという常軌を逸したサイズである。普通に着てるのに7分丈。ズボンを穿かなければ、ちょっとしたワンピースにもなる。
ただでさえ可愛い僕がそんな可愛い格好をするのだからカピバラとかアルパカとか全然ぶっちぎるほど可愛い。
ただ、通勤途中に本を読んでいると、シャツの袖からTシャツが思いっきりでていて、それが腕全体を覆う勢いだったので僕は驚愕した。
しかも普通に出てたならまだいいのだけど、なんかメルヘンチックにポワポワと膨らみながらでている。
おとぎ話のお姫様が好んで着るようなコーディネートだ。
(え、ちょっとやだ。こんなつもりでこの服を選んだんじゃない……)
僕は慌ててTシャツの袖をシャツの袖の中に押し込んだのだけど、まあ、当然シャツはそんなことを想定して作られている訳ではないから、ぎゅうぎゅうに詰め込まれた袖は肩パッドのように膨らんだ。
(え、ちょっとヤダヤダ!こんなつもりじゃない!なんでこんな事になるの?いやいや!あん!)
意味不明な肩パッドを装着しながら会社に出勤する僕。世間ではiPad、iPadとバカみたいに騒いでいるが、
それを嘲笑うかのように僕は断然肩パッドだ。くだらねぇ。バカは世間じゃなくて僕だ。なんか肩が重い。
肩パッドのせいだ。クソッ。そもそも何で僕がこんな目に合わないといけないんだ。みんなが僕と同じ格好をしてくれたら恥ずかしさなんてなくなるのに!
世間に常識なんてものがあるからいけないんだ!みんな肩パッドつけろ!
肩パッドのせいでイライラした僕は、会社に着くなり自分の髪の毛を全て手で引きちぎり、精神の異常性をアピールし、早退。
そのままよみうりランドのプールに直行してひと泳ぎ。あまりに気持ちがよかったので、その後プールの中に野良犬を投げ入れて体を洗ってあげた。
昼飯はあまり腹が減っていなかったので、そこら辺に寝転がっているホームレスを食べた。
今日も暑い日だったな。
ていうか今気づいた。重ね着とかしたら暑いじゃん!きっちりしたシャツ一枚で通勤すればいいんだよ。
というわけで庭にたくさんのシャツの種を埋めた。きっと秋にはたくさんのシャツがなるだろう。メルヘンチックで、す・て・き。
お前らも食べてやろうか!!
7月25日
友人の中西君と一緒に本屋をぶらついていると、マンガの新刊コーナーで中西君が叫んだ。
「やった!『おお振り』の最新刊じゃん!」
中西くんは嬉しそうに本を手にとり、包装してあるビニールを破り捨ててパラパラとめくり始めた。
「いやあ、『おお振り』ってマジで面白いよな。みんながハマる気持ちもわかるよ。これから先の展開が本当に楽しみだ」
中西君がそういいながら読んでいる本をみて、僕はギョッとした。
なぜなら中西くんが読んでいた本は「おおきな顔を素早く上下に振り続けろ」という聞いた事もない作品だったからだ。
「いやあ、『おお振り』はマジで最高だよ。今月ちょっと厳しいんだけど、買っちゃおうかな『おお振り』。」
そう大声で叫び続ける中西君。近くで女子中学生が笑っている。
僕は中西くんから少しずつ離れ、そのまま帰ろうとしたのだが、背中を向けたままの中西くんに呼び止められた。
「おかしいか?こんな偽物にハマるなんて…」
「…え?」
「『おお振り』って本当は『おおきく振りかぶって』っていう作品なんだろ?12巻ぐらいまで集めた時に気づいたよ」
遅えよ!!
と僕は思ったが、中西くんの悲しそうな顔をみると言葉にはできなかった。
中西くんは更に続ける。
「最初はこの本、捨てようと思ったんだ。つまんねえし。だけどさ、作者が一生懸命描いてるのがマンガを通して伝わってきてさ。コレ、つまんねえなりにすげえ勢いがあるマンガなんだよ。今、主人公は1秒間に32回も顔を上下するんだぜ?」
中西くんがパクりマンガについて熱く語る。
「でさ、読み続けてるうちに気がついたんだ。こんな出会いがあってもいいんじゃないかって。確かに最初は間違いで購入したけど、俺は今この作品にハマってる。大事なのはそこなんだ!」
中西くんは手に取った作品を天高く掲げて叫んだ。
「俺にとっての『おお振り』はこっちだ!俺はこれからもこのマンガを集め続ける!!『おお振り』万歳!おえっ!!」←気合いを入れすぎて、えづいた。
あまりにも堂々とした中西くんの姿をみて周りの客達が明らかに引き倒しているので、僕は恥ずかしくなった。
「ほら、お前も読めよ。『おお振り』」
中西くんが顔にマンガを押し付けてくる。
「いや、いいよ。だって違うじゃん。それ」
「違うもんか。このマンガは最高にぶっとぶぜ〜?」
あまりにもしつこいので、僕は中西くんの側頭部を月刊少年ジャンプでぶんなぐり、呻き声をあげながら倒れた中西くんの腹にすかさず『こち亀』全巻(1〜170巻以下続刊)を置いて身動きをとれなくした。
「何が『おおきな顔を素早く上下に振り続けろ』だよ。気持ち悪い本集めやがって。オメエ馬鹿じゃねえのか?」
「う、うるせえ!」
「世の中にはもっと面白いマンガがたくさんあるだろうが!1秒間に32回も顔が上下する?どーでもいいわ!!!」
僕が声をあらげると、背後に1人の老人が現れた。
「まあまあ、そこらへんにしておきなさい」
老人は中西くんの上の『こち亀』を片手で持ち上げ、そのままレジに向かい、購入した。
「重かっただろうに。『こち亀』170冊はやりすぎだ。少年マンガの一冊の重さはおよそ150から160グラム。つまり君の体には26キログラムの負荷がかかったことになる」←意外と軽い。
「あ、すみません」
老人は中西くんの手をとり、引っ張り起こした。そして僕をにらむ。
「気持ち悪い本を買いやがって、君はさっきそう言ったね」
「はい…」
「気持ち悪い本なんて、この世には一冊もない!」
老人の声が本屋に響き渡る。僕は彼の迫力に圧された。
「…君は『サラ金』というマンガを知っているか?」
「あ、はい。『サラリーマン金太郎』ですよね?」
「じゃあこの本を読んでみなさい」
老人に手渡された本の表紙には『サラッとした玉金が世界を包み、暗黒の時代の始まりを告げる』という聞いた事もないタイトルが記されていた。
「……これって……」
「そう。これも略すと『サラ金』だ。しかし、タイトルをみて、これが『サラリーマン金太郎』のような内容だと思って買う者はいないだろう。それでもパクりになるのかね?」
「なります」
「聞こえへん。世の中にあるマンガはすべてオリジナリティに溢れている。パクりだけで構成したとしてもだ」
「パクりで構成してもオリジナリティに溢れている?それは何故ですか?」
「知らん。とにかくマンガなんてものは娯楽作品だから、面白ければいいのだ」
あれ、もしかして…。
僕は恐る恐る老人の目の前にゴルゴサーティーン全巻(1〜157巻以降続刊)を置いてみた。
すると老人はその本を片手で持ち上げ、レジに持っていって購入した。
だめだ。こいつボケてる。
僕は老人の持ち金がなくなるまで目の前にマンガを置き続け、破産したところでアコムに連れていって、「ここでお金がもらえますよ」と老人の背中を押した。
まったく散々な1日だったな。
そう思ってディスクユニオンに入ると、そこには何故かまた中西くんの姿があった。
「よう。また会ったな。一緒に『ミスチル』でも聴かないか?」
そう言って彼が差し出したCDのアーティストは「スミス&ミチル〜二人は友達?…それとも…〜」という名前だったので、僕はただため息をつくしかなかった。
こんなのミスチルじゃない……。
しかし、このCDとの出会いが、僕の人生を大きく変えていく。
これが僕のバンド人生の始まりで、世界最高のパンクバンド『心意気だけはいつもターザン』を結成するきっかけになる事は、まだ神様しか知らない。
まだ神様(デンデ)しか知らない。
7月22日
ちょっと小学校の同窓会に行ってきたんだけど、僕の同級生は全員イラン人の上、25歳にして全員ハゲてたので僕は改めて自分の運命を呪った。
とはいえ、ハゲてても僕の同級生であり、大切な友達である。ハゲの集まりでもやはり同窓会は嬉しいイベントなのだ。
みんなが今どんな仕事をしているのか、どこに住んでいるのか、
貯金はいくら持っているのか。キャッシュカードの暗証番号は何番なのか。聞くことはいっぱいある。
しかし、実際はそんな話は一切出ず、みんなアリー・ハーメネイー(イランの最高指導者)の話しかしなかった。
いや、正確にはアリー・ハーメネイーの話でしか笑わなかったというのが正しい。
しかも、笑うと言っても純粋な笑みではなく、なんか不敵な笑み。昔と全然変わらない。
僕は思いきって立ち上がり、みんなに向かって言った。
「ねえ、みんな、せっかく久々に会ったんだからケータイのアドレス交換しない?」
「あー、ごめん。今、潜伏中だから無理」
「あ、私、死んだ事になってるから無理」
「今、ケータイを爆弾に改造してるから無理」
「アリー・ハーメネイー様(イランの最高指導者)に聞かないと……」←ママに聞かないと、みたいな。ここでみんな笑う。不敵な笑み。
と、終始こんな感じなので僕はため息をつきながらチビチビとお酒を飲むしかなかった。みたいな事を書きたかったのだけど、普通に仕事のせいで同窓会に行けなかったので、
会社に底知れない恨みを持ちました。しかし何故か会社に向かうはずの怒りのベクトルが同級生に向かってしまい、気がつけば僕は同窓会の幹事に向かって「お前を真剣に呪う」というメールを出していました。
いや、でも実際問題、懐かしの恩師も来たのかと思うと悲しいです
。先生にはたくさんの事を教わりましたから(冷房がガンガンに効いた部屋でダッシュすると、かなり涼しいとか)、一言お礼を言いたかったです。
というわけで、生きる気力がなくなりそうだったので、せめてもと映画館に行きました。なので今回の更新は映画レビューです。
ちなみに僕のレビューが毎回高い点なのは、面白かった映画以外は書かないからです。「コイツはなんでも面白いって言うな……」とか思わないで下さい。不愉快です。
トイ・ストーリー3(100点中90点)
大ヒット映画の3作目です。ヒットメーカーのピクサーが「売れるから」という理由だけで続編を作るとは考えづらく、
何か作りたいストーリーがあったのだと考えるのが妥当でしょう。
今回のテーマはオモチャにつきものの「別れ」ですね。大人になり、遊んでくれなくなったアンディに不満を感じながらオモチャ達は日々を過ごし、
思いもよらない別れが自分達のいるべき場所を模索するきっかけとなります。
「オモチャにとっての幸せは人間に遊んでもらう事」
人間を楽しませるために生まれたオモチャが、人間に遊ぶ事を強いるのは矛盾ですが、この映画はそんなオモチャと人間の恋愛にも似た要素が軸になっています。
ずっと一緒にいて欲しい。オモチャ達の強い願いは、大人になった持ち主の愛情に不信を抱く原因となり、やがて大きなすれ違いを生みます。
オモチャに飽きてしまい、遊ばなくなるなんて事は、みんな普通に経験することで、だからこそオモチャ達の切なさが素直に胸に入ってくるんですよね。
でも終始そんなセンチな話が続くのかっていうと、全然違います。そんな寂しいだけの話なんて娯楽作品として面白くないですから。
オモチャ達が幸せを得る為に必死に闘う姿を「笑い」と「スリル」に乗せて送るのがいつものトイ・ストーリーの姿で、今回もそれはもちろん健在です。
ストーリーに盛り込まれたオモチャ達ならではのギミック演出は見事としか言いようがなく、最後まで退屈することはありません。
ちょっと個性の強いキャラがいるので、今回は今までよりも笑いの要素が強いのではないでしょうか。
無駄のないストーリー展開の中で、伏線をはりつつ、ラストはきっちりと決める。
ありきたりな展開ですませない所はさすがピクサーです。色々考えさせられるいい映画でした。
ただこれからはオモチャで遊び終わったら紐でガッチガチに縛りますし、バラバラに解体します。
オモチャを捨てるときは火に放り投げるか、箱に詰めて鎖でガチガチに固め、海に沈めます。
上半身はメキシコに、下半身はイラクに、眼球はユナイテッドステイツ・アメリカに送ります。
捨てても捨てても帰ってくるオモチャとか気持ちが悪くてムリなんで。
ちなみにオモチャの中にトトロが出てます。宮崎駿監督へのオマージュなんだとか。嬉しい。
7月15日
告白(100点中85点)
週末に観てきました。
今回は映画館という事で、チケット代金の支払い時に、精一杯シニアらしい動き(ぜんまい切れかけのロボットみたいなダンス)をしたのですが、料金は一般でした。
さて、期待の映画です。中島監督には「下妻物語」でガッチリと心を掴まれたので、
今回も楽しみにしてましたし、期待した通り非常によかったです。この監督は全然ハズさないですね。
「私の娘は殺されました。犯人はこのクラスにいます」
というフレーズで始まる予告はミステリー色が強いですが、誰が殺したかという問題を長々と引っ張っていくようなストーリーではなく、
事件が発覚した後の日常を追います。
原作では、一話目が特に強烈で、不幸な連鎖のパズルの見事なハマりぐあいに圧倒されたのですが、
映画では全編に渡って強烈でした。
というのも、この告白という作品は、主要人物の心理描写がかなり練られた作品で、作者としてもそこが押しなのだと思います。
しかし、意外性重視のためか、ド派手な事件に対してあっさりとした描写で済ませる傾向があり、そこには少し物足りなさを感じました。
そのタンパクな部分を監督が派手な演出でガッチリと作りこむ事で、より楽しめる作品になってます。
暗い映画って、僕は一度観たらもういいやってなるんですが、この映画は全然もう一度観れますね。
何故かというと、人の残酷さを全面に押し出しているのに、それを感じさせないからです。
これは話の内容に沿って加害者と被害者の主観(主役)が入れ替わる話の構成をする事で、誰に感情移入していいのかわからないという作りが良い形で機能しているおかげでしょうね。
あ、それと僕が毎日残業ばかりで日付が変わるまで帰れない事も、残酷さを感じない事に何か関係があるのかもしれません。
まあ長々と書き綴ってきましたが、この映画が伝えたい事は単純ですよ。
「他人の子供だろうがなんだろうが、悪いことをしたヤツは本気でひっぱたいていきましょう」って事です。
まあ映画の登場人物達はちょっとやり過ぎですが、
「ビール瓶で頭をカチ割るくらいなら日常でガンガンやっていいと思うよ」
っていう作者の柔らかいメッセージを、僕は確かに受け取りました。
楽しめます。
「あなたがこのサイトを観てる時、僕もあなたを見ている」
っていう感じの果汁100%・桃ジュース並みに清々しいサイトの管理人が僕なんですが、
どうもこのサイト、見てくださる方が圧倒的に少ないんですよね。
まあ本来日記なんて、過去を振り返る為に書いてるわけだから人に向かって「見て見て〜」なんていうやつは普通に病気だと思うし、
なんていうの?生きてる価値ないよね。
「じゃあお前はなんなんだよ? ホームページに日記なんてアップしやがって。みてもらいたいんだろ?」
って思う奴等もいるだろうけど、俺はちがうからね。人に見てもらいたいとかじゃなくて、
偉大なる※悪魔王・ルシフェル様に日記を捧げてるだけだからね。
捧げてるってのも変か?
※偉大なる悪魔王・ルシフェル様に向かって日記をアップロードしてるだけだからね。
(※ルナシーのボーカル・河村隆一の事を僕が勝手にそう呼んでる。もちろん尊敬はしてない)
おまけに僕は普段から深い事を考えてるから、ただ書き流すだけの日記じゃないし。やっぱみんなにも考える力とか? 与えたいし。
例えばこれってどう思う?
このポスターを見たことある人は割りといると思う。
「アフリカの子供たちに給食を」みたいな感じのポスター
こんな感じ。「HOPE」って文字の「O」がスープなの
これみてお前ら何も感じない? バカだな。こいつ食べたがってるよ。すぐにでも。
だから4人の子供がいるのに1個だけしか与えないなんていうのは、本当に悪魔じみてると思う。最低だ。
だってほら見ろよ。こんなに飢えてる。
「笑顔の裏側にある飢えを俺は確かに感じる」
っていうしっかりした事を書き綴っていくサイトだからね。決してアクセスアップとか狙ってないし。全然だし。
でも前回の日記を観た友人がリンクしてくれるっていうメールをくれたときは、「…ありがとう…」って呟いてた。何故か。
仕事中だったけど静かにガッツポーズしてた。内に秘めたる闘志をほとばしらせつつ。
そこで僕は気付いた。
「日記を見せるのは恥ずかしいけど、やっぱりみてほしい」ということに。←かわいい。
リンク追加・ウサ描き
なんか前にも似たようなサイトとリンクしていたような気がしたけど、気のせいですかね?
ということで友人がリンクしてくださったので、あまりの嬉しさに痙攣が止まりません。
あの頃のトキメキが、また。
7月3日
ナンパ
異性との交遊に重きを置く者を軟派と呼び、軟派な奴らが女の子に声をかける行為をカナ文字でナンパと呼ぶようになった。
参考はもちろん、Wikipedia。
友人の猿田君と駅前を歩いていると、ナンパが目立つ通りにでた。
友人の猿田君が目の前を歩いている女の子を指して興奮気味に言う。
「なあなあ、俺もちょっとナンパしてもいい?」
「どうぞ」
僕は猿田君からちょっと離れ、その様子を見守る。猿田君は前から「俺のナンパは絶対に成功する」と言っていたので、どんなナンパをするのか楽しみだ。
猿田君は女の子の肩を手でトントーンと突き、声をかけた。
「やあ?僕、女の子と遊ぼう?」
おお。なにそれ?
この時点で僕は猿田君の頭の悪さに吐き気を覚え、今日はもう合流するのはやめておくことにした。
当然、声をかけられた女の子も冷たい反応。
「ちょっと、どけサル」
ちなみに猿田君は名字のとおり母親の胎内で四億年ほど進化できなかった顔をしている。
なので、初対面の女の子から自然と見下される。これは大きなハンデだ。
しかし、猿田君は自分の猿顔を全然気にもしないし、悪口を言われても全然へこまない。何故なら頭悪りぃから。
「猿って言ったやつが猿だよ。ねえ、遊ぼう〜?」
おお、いいじゃん。
僕は猿田君とは合流しないと、再度心に決めた。
「ちょっと、あんた本当になんなの?」
「僕、猿田拓也。サルタクって呼んでね。お姉ちゃん。ちょっと付き合ってよ」
タク、そればっかり。デスノート読んでからそればっかり。
サルタクは女の子をしつこく追いかけまわして、最終的に4tトラックに跳ねられる。
みたいな展開にして今日の日記は終わってもいいが、そんなデスノートみたいな残酷な結末はそうそうない。
女の子が声をあらげて猿田君をなじる。
「何がサルタクだ。気持ち悪いんだよ!消えろ!」
「気持ち悪いの?無理しないでね?遊ぼう?無理しない遊びがあるよ。ドンジャラ。ドンジャラしよう?」
「ああもう!警察呼ぶよ!」
「警察呼ぶの?いいよ呼んで。それで3人で遊ぼう〜」
それはもはやナンパじゃない。猿田君は病気だ。
ここからしばらく口論が続くが、何度冷たい態度をとられても、猿田君は決して諦めない。
彼はいつも努力する素晴らしさを僕に教えてくれる。
僕は猿田君とは合流しない。決して。
猿田君は粘りに粘り、最終的には2人でヒソヒソ話をしはじめたのでよく分からないが、
猿田君がお金を払ってパンツをみせてもらうことで話は落ち着いたようだ。
諦めなければ、夢はきっと叶う!!
ここまで書けば、最後に僕が何を言いたいのか、みんな分かるだろう?さあ、みんなで一緒に言おう。
せーのっ!
みんなも、進研ゼミを始めよう!!(全身を激しく痙攣させながら)
あ、今日の日記を読んだみなさんは呪われました。呪いを解きたい方はリンクするか、ビジラビとリンクしたいというメールを送ってください。
6月23日
「自分が食べたい食べ物は積極的に地面に落としていけ」
これは父と母の教えである。
「いいか、人気がある食べ物っていうのは大抵すぐになくなってしまう。運がよく食べられたとしても、自分が満足行くまで食べられる事は決してないだろう」
「そうとは限らないんじゃない?自分が好きでも周りのみんなが全員嫌いっていう食べ物もあるだろうし…。
みんなが大好きだったらわりといっぱい注文される場合もあるし」
僕が反論すると同時に、僕の体は鎖でジャラジャラに繋がれ、まったく身動きのとれない状態にされた。
僕の反論がよほど気に食わなかったのだろう。
「いいか、人気がある食べ物っていうのは大抵すぐになくなってしまう。運がよく食べられたとしても、自分が満足行くまで食べられる事は決してないだろう」
「……はい」
「じゃあ自分が食べたいものが人に食べられている時、我々人類は黙って指をくわえて見ているしかないのか?
そんなことはない。誰にも恨まれずに、人気のある食べ物を独占する方法がある」
「え?」
僕が食いつくと、父はニヤリと不敵な笑みを浮かべ、地面を指差した。
「『母なる大地』をスパイスにするんだ」
「つ、土?土つけんの!?」
「下品な言い方はやめなさい!このゲロ!本当にお前は産んだ甲斐のない子だよ!」
「…すみません」
「いいか?地面って言うのは、汚い汚いと言われてはいるが、実はそんなに汚くない(←決めつけ)まあ、仮に汚かったとしても、別にいいじゃん。
人間の抵抗力は普段から痛めつけて鍛えていった方がいいんだ」
「はあ……」
「それに、好きな物を食べられない苦しみに比べたら地面に落ちたものを食べる方がずっといいだろう」
そんな事ねえよ!
と言いたいけれど、父は自分の考えを曲げようとする人間を躊躇いなく殺す事ができるし、
そのあまりの残酷さはターミネーターの続編にも出演が決まるほどなので、僕は黙って頷くしかない。
「というわけで、旨そうな物があったら積極的に地面につけていくんだぞ」
こうして僕は英才教育をうけはじめ、中学生になる頃には「店員が持ってきた皿を奪い取ってテーブルに逆さにドーン!」という技を身につけた。
(技を繰り出すときはもちろん技名を叫びながらだ)
これはなかなかいい技だった。多感な中学時代はみんなのテンションがバカみたいに高く、
このような悪ふざけも割りと許してくれたのだ。
しかし、この技にもやはり問題がある。毎回決まった友達と遊んでいると、
「あれ、そう言えばアイツ毎回ひっくり返して、しかもそれを毎回キレイに食べてねえ?」疑惑が浮かんでしまうのだ。
「なんでひっくり返したやつを食べるの?」
と聞かれるたび、
「た、食べ物をムダにするなって、親から教えられてて」
と、大いなる矛盾を孕む返事を返していた。
やがて僕も思春期に入り、親の意見と真っ向からぶつかる反抗期を迎え、
「地面に食べ物をつけるのはどうやら間違っている」という結論に達した。
しかし、植え付けられた習性は簡単には消せない。
事件は会社のお食事会で起きた。
普段忙しくしているだけあって、なかなか高級な店に連れていってもらった僕は、普段食べなれない料理を目の前にし、ヨダレを撒き散らしながら乾杯の音頭を待った。
僕はお酒を全然たしなまないので、酒を交えるお食事会はなかなかのチャンスである。
みんなが酒に夢中になっている間に気に入った飯を食べればいいのだ。
しかし、ここで思いもよらない事件が起きる。
「お前は最近ちゃんと食事をとっているのか?野菜も摂らないとダメだぞ」
なんと、上司が僕の皿に山盛りのサラダを置いたのである。
「ちょっとやめてくださいよ!!」
叫びながら皿をひっくり返す僕。
店内は静まり帰り、みんなの視線が僕に集中する。
僕は白目を剥きながら全身をビクビクと痙攣させながら叫んだ。
「サラダなんか家でも食べてるよ!そりゃもう飽きる程に!貧乏ですからね!そんなもんしか食えないんです!
だから今日の食事は楽しみだった!美味しい物が食べられると思った!それなのに……、
なんで店でわざわざサラダを食べないといけないんだ!自分が食べたいものでお腹いっぱいにさせてくださいよ!!」
「あ、ああ、すまない」
「ラビハチ、もういいから、食べなくていいから」
え?
気がつくと僕の口には山盛りのサラダが入っていた。
僕はひっくり返したサラダを次々と口に放り込みながら叫んでいたのだ。
みんなは何か異世界の物を見るような目で僕を見ている。
「あ、あはははは。何やってるんでしょうね。僕は。あはははは」
「ら、ラビハチ、大丈夫か?」
「少し、休んだ方がいいんじゃない?…あ!」
慌てた上司が酒をテーブルにこぼす。それをみた瞬間、僕の中で何かが壊れた。
「食べ物はガンガン地面に落としていけ」
父の言葉が耳にこだまする。
僕は気をつけの姿勢をとり、直角におじぎをしてテーブルに口をつけた。
そのまま酒を飲み干す。
飲み干すと同時に店員が入ってきた。
「お待たせしました。こちらメインディッシュの北京ダックになります」
僕はバッと起き上がり、店員から北京ダックを奪い取った。
「北京ダック?食べたことねえな!俺が全部食べてやるよ!!」
僕は懐からスリッパをとりだし、北京ダックをこすった。
「もう誰にも食べられない!これで全部俺のだ!文句あるかお前ら!あるならほら、一緒に食べようよ。きっとおいしいよお?たくさんあるよお?」
みんなは完全に黙り込んでいる。僕は勢いよく北京ダックにかぶりつく。そして、一口食べるごとにスリッパでひとこすり。
一口食べてひとこすり。
一口食べてひとこすり。
なんか途中からわけわかんなくなって、最終的には北京ダックをひたすらスリッパで擦っていた。
気がつくと店には僕1人だけが残っている。
「はは。独占成功だ……」
戦利品の北京ダックは僕の涙で一際輝きを放っていた。
気持ち悪い日記。
6月19日
このサイトを見てくださってる方は、僕の更新が映画レビューだったときに「また映画レビューか……」という感じで嫌気が差すと思われます。
そういった事を踏まえて今日は映画レビューです。どうぞよろしく。
グラディエーター
(100点中95点)
本当にカッコいい男は、目の前に生肉が置かれた瞬間にかぶりつく。
まあこの映画の主人公はそんなやつじゃないけど、主演のラッセル・クロウはそんな顔つきですよね。
「人肉は非常に興味深い食材だね。機会があればガンガン食っていきたいと思っている」
みたいなね。
この映画の舞台はそんな男に相応しい古代ローマのコロッセオですよ。
円形闘技場で奴隷達が殺し合う。それをみて観客達が熱狂するという時代があったのかと思うと、恐怖を感じずにはいられません。
この怖さを芸能人に例えると誰だろう。クリス松村だな。
さて、僕らの恐怖の対象であるコロッセオに落とされたのが、ラッセル・クロウ演じるローマの英雄、大将軍マキシマスです。
戦略家であり、凄まじい剣技を持つ剣士であり、人望の厚い彼は皇帝から絶大なる信頼を得ていました。
しかし、野心家である皇帝の息子の謀略によって全てを失います。
絶望したマキシマスは失意のまま奴隷にまで身を落とし、変わり果ててローマに戻って来ることに。
一方、マキシマスを地に落とした皇帝の息子はローマの新皇帝となり、コロッセオで日々残虐な殺戮ショーを開催します。
コロッセオの競技に力を注ぐ事が民衆の支持に繋がると考える皇帝と、奴隷として命懸けの剣闘を強要されるマキシマス。
身分が大きく離れ、途切れたはずの二人の道は再び繋がります。
勝ち続けることが正義のコロッセオで、マキシマスは再び皇帝を脅かす存在となっていくのですか?
異例の宣伝費をかけたアカデミー賞作品賞受賞作品。
迫力ある映像はやっぱりこういう映画に使わなきゃね。その名に恥じない素晴らしい作品です。
ちなみに闘技場で無様に死ぬ雑魚共はおまえたちです。今が平和な時代でよかったな。
6月17日
最近更新が滞ってます。
でも今このページを見て下さってる皆さんは素晴らしくいい人ばかりだから、俺が更新しようがしまいが毎日見に来い。
映画レビュー
ラン ローラ ラン(100点中95点)
「ローラ、助けてくれ!」
ローラの彼氏・マニ(運び屋)がヘマをしてマフィアの金10万マルクを無くし、ローラに電話で助けを求める所から物語は始まる。
二時間後にはマフィアに金の受け渡しをしなくてはいけない。
10万マルクを失ったことがバレたらマニは殺される。
二時間で10万マルク。絶望的な状況で、ローラは金もアテも持たずにマニの元へ走る。
って感じで物語は始まる。
あ、これは絶対に面白い。と思わせるオープニングのテンションをエンディングまで維持し続ける快作。
個性的な演出・意外な展開・スピード感が観る者の心を掴んで離さない。
観る者っていうのはお前らの事な。
お前らハゲどもの心を掴んで離さない!
あらすじはちょっと暗い話っぽいけど、全然重苦しくない。むしろ所々ユーモラスで賑やか。
「世間の常識?僕そんなの一切無視していきますから」と言わんばかりの監督のはじけっぷりがこの映画のエンターテイメント性を高いレベルまで引き上げ、
全体的に好感が持てる仕上がりになっている。
ローラはどんな方法で10万マルクもの大金を集めるのか。
ストーリーも後半になるにつれてどんどんハチャメチャになっていくんだけど、デタラメでも面白ければ客は納得するものだ。この作品には王道の映画じゃ得られない興奮がある。
興奮っていうとイヤらしい事しか想像できない性欲の塊のような皆さんでもきっと満足頂けるはずだ。
さあ、手元にあるアダルトビデオを全部ブックオフに売り払って、少しは映画を見ろ。
個人的にはもうちょっと長くして、すべての難題を全部丸くおさめてほしいと思ったけど、きっとそれは欲張り過ぎなんでしょう。
まあ90分っていうタンパクな上映時間は観やすいんじゃないかと思うし、中だるみもないので安心して勧められる。
観る映画がなくて迷ってるならこれを観ておくべき。ザ・娯楽大作
6月6日
……ご飯がないならウンコを食べればいいじゃない。
−マリー・アントワネット−
引っ越しました。まあ忙しいですよ。そりゃホームページも放置しますわ。ただ久々にメールが来て、更新してくださいって言ってるのを発見しましたんで更新します。
10歳の子供がね、近々手術しますと。なんだそのメールはと思いますが、メールの名前からして知り合いなので年齢詐称ですね。まあ頑張ってください。
手術は失敗するだろうけど(今飲んでいるサイダーを鼻から出しながら爆笑)。
……本当に手術するなら……ごめんなさい……。
とりあえず今回は引っ越して初めての更新という事で新しい街の特徴でも書いて行きましょう。笑いが絶えない、いいまちですよ。
・道の真ん中に人がたまる
不満です。なんで話しこんでるのに端に行かないの? って思う。普通はさ、誰かしらが言うでしょ。
「俺ら、ここにいるの邪魔じゃねぇ?」って。
何故か誰も言わない。男も女も気が利かないな。道にたまるな!街が臭くなるから!
・住人は基本的に「俺らが主役だぜ」みたいな顔をして歩いている。
これは僕が勝手に感じてるだけなんですけど、なんかみんな資生堂のツバキってシャンプーの歩き方してますよ。
「俺らの伝説が始まるぜ?」みたいな空気が伝わってくる。
「ついてこれるかな?振り落とされるなよ?」みたいな。
・5人に1人ぐらいの割合で時代劇にそのまま飛び込めるほど不潔なヤツがいる
なんか割りと若い癖に仙人みたいな髭の生やしかたとかするやつがいるし、パーマでちりちりにした髪を後ろで束ねたりとかするんですよね。
「昔、シンナーやってたでしょ?」みたいな顔してる人が割りとそんな髪型してる。
・平日なのにベロベロに酔っぱらってるやつがそこら辺に転がっている
まさにスラム街。夜に散歩してちょっと細い路地に入るともうもれなく吐いてるやつがいるからね。「闘将!ラーメンマン」みたいな髪型したやつがラーメン吐いてる。
でもみんな吐き慣れてるのか知らないけど、なんか吐きかたは割りと上品。蛇口から自然とでるような穏やかな吐きかた。
・スタバが潰れてスタ丼やができた
これには本当に幻滅した。オシャレな街とか言ってる癖になんでカフェが潰れて「闘将!ラーメンマン!!」がモデルの店(あくまでも僕のイメージ)ができるわけ?
しかも百円セールで超行列できてんのな。この貧乏神ども!むせて鼻の中にごはん入れ!
・可燃ゴミとプラスチックゴミの分別がない
これはマジで楽。まとめて燃やせるとかマジでハンパねえ。世の中エコエコ言ってみんな脳みそが完全にとろけてるけど、
なんだかんだで燃やせないものなんかないじゃん?こうやって全部まとめて捨てちゃえばいいんだよ。前から思ってたんだけど、エコってなんか中途半端な気がしてたんだよね。
もっとナウシカにでてくる巨神兵のノリでいこうぜ。焼き払え!ってあの場面想像してみ?あれで焼けないものあるか?だったら全部可燃ゴミだろ。
リサイクルとか、マジで気持ち悪い。前の人が触ったものなんか触りたくもない。一回溶かして作り直しても汚さは消えない。全部火に投げ込め。地球は平気だ。
・飲食店が潰れない
なんか右を見ても左を見ても飲食店が山程あるくせに、全然潰れない。明らかに客が入ってないだろみたいな店が全然潰れない。なにこれ。
維持費とかどうなってんの?なんかマリファナとか売ってるの?とか思う。
まあマリファナ売ってるんだろうな。「は?マリファナって食い物だし!」みたいな事を堂々と言いそうな顔したやつばっかだもん。
しかもこんなに飲食店があるくせに、これ最高にうまいってものを食わせる店にはまだ出会ってない。金をケチってるからか。
いや関係ない。どいつもこいつも「闘将!ラーメンマン」みたいな髪型しやがって!
うまいもんくわせろ!
・シスコーンをおす
朝食用シリアルのアレね。安いでしょ?みたいな感じでどこの店も店頭にやたらシスコーンをおく。バカだから。
で、置いたあとに客に向かってバカ面。安いでしょ?みたいな。
・ちょっと隙を見せると酒を飲まそうとしてくる
人が口を開けた瞬間に酒をぶっかけてくる。少しでも飲ませて酔っぱらわせた所でなんか色々するんだろう。
あたしを酔っぱらわせてどうするつもり?財布をとるに決まっているだろう。
まったく、どいつもこいつも「闘将!ラーメンマン」みたいな髪型しやがって!
・美容室に入ったら美容師が「闘将!ラーメンマン」の髪型にしようとしてくる
席についた瞬間「じゃあラーメンマンの髪型にしちゃいますね」って言ってハサミをチョキチョキしてくる。
あとヘアカタログが漫画「闘将!ラーメンマン」しかない。もちろん店員も「闘将!ラーメンマン」の髪型。
・寝ると夢で「闘将!ラーメンマン」に襲われる
エルム街の悪夢みたいな。フレディの変わりにアイツがくるからあんまり眠れない。寝すぎると色々される。
・物価が高い
キャベツが400円した時は本当に引いた。そんな値段で売ったらトンカツ屋が困るだろう? なあ?困るだろう。
あと、鳥のムネ肉が100g138円とかする。…嘘だろ?
・一軒家が豪華
住宅がなんかオシャレだ。玄関までの道が螺旋階段だとか、外観がツヤ消しブラックだとか、夜になると下からライトが当たるとか、窓ガラスが三角錘だとか、
外の壁が大理石だとか。どいつもこいつも金持ちだ。恐らく一軒家に住んでる奴らが王族、賃貸に住んでる奴らが下層階級という分かりやすい構図だろう。
物件借りてるやつはもれなく貧乏。もちろん僕も貧乏。
「兄ちゃん…。ウチな、ウンコビチビチやねん」
「節子!!」
とりあえずキャベツの値段を下げろ。
・「照れる」という概念がない
女の店員「居酒屋・玉金でーす。ただいまお得なクーポン券をお配りしてまーす。玉金でーす」
玉金って! あれじゃん!
とか思って純情な僕は赤面しちゃうんですけど、女は全然気にもしないで店名を連呼。
自分がこの世で一番玉金という単語を発する人になるかもしれないという恐怖はないのでしょうか? ないんでしょうね。
・おばちゃんが犬を連れて喫茶店で紅茶を飲んでいたんだけど、その犬が全然バカで、余裕で吠えまくる
マジでうるさくて、「ちゃんとしつけておくれ」とか思いながらおばちゃんの顔を見ると犬と同じくらいのバカ面。
まあしょうがない。普通の飲食店に犬を連れてくる時点でまあイカれているのだから…。
・急な腹痛に襲われた場合、どこでもウンコしていい。
さっきまで楽しげに話していたカップルが急にパンツを脱いでしゃがみこむ。これはウンコのサインである。
男がウンコしている間の女の優しげな瞳はまさに産卵する海ガメそのもの。
微笑ましい街だ。世界平和という単語がよく似合う。
・そして、またミスドの季節が始まる
今年もいよいよミスドの抹茶特集が始まった。僕はミスドの抹茶特集が凄く好きで、ポンデ抹茶ミルククランチを狂ったように
たべる事がひと夏の楽しみだ。ボンデ抹茶ミルククランチ狂いなのだ。もちろん今年もたくさん食べる。
なんか書いてみたら不満ばっかになったけど実は割りと充実してますよ。休みがあんまりねえけどな。
まあそれなりに良いところだ。とりあえず今日は会社帰りに表参道のシュークリングを買ってみましたので、ちょっと2人で食べてみます。
六個セットが欲しかったのに超売り切れてたのでバニラ、キャラメル、レアチーズしか買えませんでしたがまあいいです。
今日は予期せぬ出来事が起きてタグ打ちになってので、うまくできてるか不安です。
4月22日
「GOOGLEで意味不明なワードを検索し、何件HITするか確かめる遊びが……今熱い……!! ←金ねえから
「赤ちゃんを紙袋に入れて爆破」9920件HIT
「特盛を頼んで、一切食べない」8620件HIT
こんなワードでも意外とひっかかるもんだ。
そう言えばなんかこのあいだ自分が作ったCMを初めてTVで観た。まあ、変な事になってなくてよかった。
僕の仕事スタイルは、モニターなんか一切観ず、顔を獅子舞のように動かし、マウスを上下左右に振りながら思いっきり白目を剥く感じなんだけど、まあ、変な事になってなくてよかった。
勘違いしないで欲しいんだけど、僕はまともな人間だ。この仕事のやり方はもちろん会社の先輩から教わった。
ウチの会社はみんなこうやって仕事してる。もちろん社長も。みんな普通に会社に来て、普通にパソコンの電源を入れる。
社長が「じゃあ今から始めます。スタート!!」って言った瞬間からみんな獅子舞になる。それまでは普通。お分かり?
ってな感じで今日はもう寝ます。
あ、5月に引越しが決まりました。1日から住みます。いいところに。駄菓子屋が近くにあったので、僕は嬉しいです。
敷金・礼金・一ヶ月分の家賃を振り込んだら貯金がへんな感じになったので、新生活は不安が一杯です。これからはお金のかからない生活を心がけなければいけません。
今までみたいに松坂牛を飼ってるペットの亀にあげちゃうみたいな贅沢もできません(もちろん亀は松坂牛など一切口にせず、汚い油が浮き上がり、清々しいほどに臭くなる)。
むしろ飼ってる亀を食べちゃう勢いになるでしょう。っていうか実際のところ俺は松坂牛なんて食べたことない。
とりあえずPHOTOSHOPすらない今の生活とは違い、制作環境は多少整うと思いますので、なんらかの作品を作りたいなと思っとります。
手軽に作れるやつがいいな。で、もうかるヤツ。お金もうかるヤツ。貯金がおかしな事になってるから。
二週間ぶりの更新だよ。時間が経つのは早いなあ。
4月8日
「マニアですね」
このセリフを言われて嬉しい人がいるだろうか?
まあ、いる。
「僕はマニアと言われることに誇りを持っている」なんて言ってる人なんかはたまにTVの特集なんかに出たりとかしてる。
マニアって言うとみんなどういうイメージを持っているのかアンケートをとってみたので、まずはこれを見ていただきたい。
マニアってどんなイメージ?
・キモい
・死んで欲しい
・卒業アルバムの写真がいかにも犯罪を犯しそうな顔してる。
・スーパーの惣菜コーナーでウロウロしてる
・若くしてみんなハゲる
・親に逆らう
・肉体労働を嫌がる
・口を開けば基本文句ばかり
・何もしてないくせに一丁前にプライドだけは高い
・何もしてないくせに一丁前に呼吸だけはしてる
・何もしてないくせに一丁前に飯だけは食いたい
・何もしてないくせに一丁前に権利を主張してくる
・何もしてないくせに一丁前に奇跡を信じる
アンケート対象者 僕(のみ)
「じゃあマニアってなに?」↓以下の文章を見てほしい↓
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マニア(mania, maniac)とは、普段から自己の得意とする専門分野に没頭する生活習慣を持つ人物。特定の事柄ばかりに熱狂的な情熱を注ぐ者や、その様子を称して言う。
マニアの語源はギリシャ語で狂気。←ヤベえ
英語でマニア(Mania:正確な発音は「メイニア」)とは、熱狂、熱狂の対象あるいは精神疾患の1つである躁病を意味する言葉。←やべえ
また、日本ではマニアやオタクとほぼ同義に用いられているフリークス(Freaks)という言葉は、英語では「奇人・中毒者」などの意味を持つ。
使い方の例 ゴン・フリークス。ジン・フリークス等。
参考はモチロン WIKIPEDIA
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まあ、マニアっていうのは世の中にあるすべての事柄に対して世間が引くほどの熱狂ぶりを見に纏うやからの事。
つまりは結局どの道を選んでも深く入りこんでしまうと、気持ちの悪いベクトルに向かっていく危険性を孕んでいるということだ。
気持ちが悪いのは何も「萌えアニメ」に限った事ではない。
たとえば僕の弟なんかはサッカーが非常に好きだった時期があり、
「フィーゴがカッコいい」だの、
「ベッカムのフリーキックはマジハンパない」だの最初は非常に無邪気で可愛いものだったが、時がたつにつれ
「ロナウドの誕生日がいつだか知ってる?」
とか気に入った選手がいたら比較的サッカーと関係ない情報まで掘り下げるストーカーにも似た精神の病気にかかった。
「幅広い知識を持っている男は女にモテる」と言うが、一人でランチをしている女の子に向かって
「ねぇ、メッシって昔は身長が低かったんだよ? 知ってた?」
なんて話しかければ、女の子の手元は箸から携帯に持ち変えられ、速やかに110番通報されるに違いない。
このように、大衆向けのスポーツならどれだけ詳しくなっても問題ないとはいいきれないのだ。
映画なんか詳しすぎるともう大変である。
映画なんていうものは常に僕達の身近にあるもので、面白いか面白くないかでシンプルに採点することができる分、映画レビューをする人はたくさんいるだろう。僕もそうだ。
そして、そういう層の厚いジャンルにこそ深い闇が潜んでいる。
映画レビューにも当然行きすぎが存在するのだ。
僕は学生時代「汚れた血」というなんというか非常にマニアックなフランス映画を勉強の為に観させられたのだが、
充分な睡眠をとっていたはずなのに、洗濯ばさみをライオンのように顔中に挟んだ挙句、手にひたすらシャーペンをさし続けてもまだ睡魔に襲われるという非常にエキセントリックな体験をさせてくれる作品だった。周りをみると生徒はほぼ寝ていた。
この「汚れた血」という作品を一番好きな映画だといって平然と人にオススメすることができる人、
「監督がここでこの色を使った意味は……」や、「彼女の包み込むような愛が疾走する場面から読み取れる」
などの明らかに常人とは違った狂気じみた解説ができる人は間違いなくシグナルが点灯していると思っていい。
底知れない闇への誘惑は常に側にある。
みんなも充分に気をつけて欲しい。(ちなみに弟は現在は野球の病気にかかってる)
4月3日
4月1日にはロクな嘘をつかなかったけど、エイプリルフールにはどんな嘘をつけば良かったの?なんて思っている人もたくさんいるでしょうから、
今日はちょっと嘘について話します。興味ない方はブラウザを閉じて大丈夫です。読んでも読まなくてもなんら変わりません。
嘘っていうのは単純なようで奥が深いです。
ついた嘘によってはその人の人生の深さや浅さが浮き彫りになる事もありますし、
軽い気持ちでついた嘘が人の心に一生モノの傷を残したりすることもあります。
みなさん当然そんな事望んでませんよね? どうせつくなら素敵な嘘をつきましょう。
まずはちょっと例をだしてみましょう。
「俺今まで100人の女と付き合ってきたよ、しかも芸能人とも付き合ったトキあるし」
みたいな嘘とかね。100人でもうハードルガンガンに上がって、「お前ちょっとやめとけよ」ってなってるはずなのに更にそこで芸能人登場。
これは当然嘘です。どうか嘘であってください。
「ツチノコを見た」
これも安易です。こんな軽薄な嘘をつくヤツとは正直あんまり関わりあいたくないとまで思ってしまう人もいます。僕はまあ思わないですけど、
思ってしまう人はいます。
「宝くじが当たった」
これはもうかなり卑劣な嘘です。なぜならこの世の生きとし生けるものみんな、お金が大好きなのはもう辞書に載っているほどの理ですから。
僕はこれは騙されます。騙されてもいいですから本当だった場合ちょっとください!!?? みたいになってしまいますよね。
「父さん・母さん・マジありがとう」
これはHIPHOPによくある御礼ソングですね。親は嬉しいですよ。こんな事言われて。息子の歌に登場して。
さて、以上の例は4月1日に所々で耳にする嘘です。こんなつまらない嘘をついてどうするって感じですね。
じゃあちょっと変えてみましょう。
「俺今まで100人のババアと付き合ってきたよ、しかも芸能人とも付き合ったトキあるし」
どうですか? これは自慢というよりもカミングアウトに近いでしょう。この場合の芸能人も当然ババアです。いくら芸能人でもババアはエキセントリックな香りしかしませんからみんな全然羨ましくないですよね。って友達の熊崎君が言ってたな。
しかもリアリティもちょっとあるんじゃないかな? って僕はちょっと思う。
だって今日の朝から巣鴨に出かけて必死にババアを口説き続ければ4人ぐらいお持ち帰りできるんじゃないかとかやっぱり思うし、
そう考えると、強豪高の野球部のノリで一年間励み続ければババア100人斬りも全然夢物語じゃない。トロイメライではないのだ。
「ツチノコがみた」
これは一見意味が分かりません。しかし、これを言った後、ひたすら意味ありげにニヤニヤしていたら、
「お前、ツチノコだったのかよ!!」と友達がビックリしてくれる事うけあわないややっぱりゴメン。これはなし。
「アコムから100万借りた。これから先返すつもりはない」
これは男らしいですね。こういう事を平然と言えちゃう男に女はグラッと来るんですよね。
そういえば宝くじが当たったなんて言っても誰も信じてくれないのに、借金は簡単に信じてくれるのは何ででしょうか?
多分世の中が世知辛いからなのです。
「俺、今年で43だけど、親が本気でウザいから毎日ブン殴ってる」
RAPは言葉に近い分、メッセージ性が強いですけど、こんな事を歌ってるヤツはあんまりいないですよね。ありがとうとかこれからもよろしくとかよりもアウトローでいいんじゃないかと。
ZEEBRAさん辺りに是非とも歌って欲しいなあ。
つっても多少直したところでこの4つは元がベタな分、たどり着くヤツはいっぱいいるんですよ結局。
だから周りと別な目線で攻めたいやつは「人に浣腸をしている時に一番幸せを感じる」だとか「1ヶ月に一回、突然噴水のようにゲロが出て、マーライオンみたいになる」等の誰も見向きもしない、「え? 何それ? 大丈夫なのカオリ??」とか友達に真剣に心配されちゃうレベルの精神異常者☆3つ、頂きました!! みたいな嘘をつくといいですよ。
最後に注意を一つ。こんな嘘絶対についちゃダメ。
「誰々が死んだ。ていうかむしろ俺が殺した」
↑これね。まあこんな嘘はエイプリルフールでも当然ついちゃダメです。当てはめられた人は傷つきますからね。
うん、まあ、この「殺す、死ね」の単語は僕のホームページでもよく出ますよ。軽くスクロールすれば大抵どっかしらに載ってますよ。
しかも4月1日の日記に関しては「完全に岸部四郎が返せないほどの借金をうんたら」みたいになって「死んだ」ことになってます。
まあ、この嘘は僕がついた訳じゃないし、完全に頭のおかしいヤツがついた嘘だから、
なんだかんだでいずれそいつは地獄に落ちますよ。まあ僕の弟ですけど。
以上を踏まえた上でいい嘘をついてください。僕は今日は土曜なのになぜか会社に出勤するという頭のおかしい行動をとります。
良い休みを。
4月2日
「あー、なんか花粉症だわ」
友人の迫田君と喫茶店でコーヒーを飲んでいると、迫田君が「ダメだ。かゆい」といいながら急に眼球をはずしたので、「えっ?」っと思ったけど、迫田君はあまりにも平然と眼球をおしぼりで拭いていたので、この程度でうろたえたと思われたくない僕はコーヒーを何度もすすり平常心を保った。
「いやー、この季節になるとやっぱだめだわ。かゆい。俺、眼球だけは直接洗わないとダメな人なんだよね」
「……そうなんだ」
そういって迫田君は店員を呼んだけど、店員がこっちに向かってくる間も一向に眼球をはめる気配を見せない。それどころか逆の目も急にくり抜いたので、僕はさすがに恐怖を覚えた。
「お待たせしました。……ひっ!!」
うろたえるのも無理はない。入ってきたときは正常だった客が、たった数分の間に両目に空洞を作っているのだから、女の子なら悲鳴の一つでも上げて当然だろう。
「ラズベリーパフェください。」
「か、かしこまりました。少々お待ちください。きゃあ!!」
店員の悲鳴があがる。これは迫田君がくりぬいた目を下に下ろし、店員のスカートの中を覗こうとしたからだ。斬新かつ最低な行為。
「ムハハハハハ!! 暗くてあんまよく見えない!! ムハハハハハ!!」
あ、デーモン小暮と同じ笑い方だ。このとき僕はもう完全に迫田君に嫌悪感を抱いていた。
店員が逃げるように立ち去る。迫田君は「ふん。つまんねえ女だ。我輩にはもったいないわ!!」とゲスなセリフを吐いた。
「あーすっきりした」
そういって迫田君は眼球を僕のほうに向けたままテーブルに置いた。僕は眼球と完全に目が合っている。迫田君は腕を組んだまま動く気配がない。
「それって見えてるの?」
「ムハハハハハ!! 暗くてあんまよく見えない!! ムハハハハハ!!」
明るい所でも結局見えねえのかよ。だったらさっさとはめろよ。
「お、お待たせしました。ラズベリーパフェです」
店員がこちらを見ないようにして、パフェを置いてそそくさと立ち去った。迫田君はテンションがMAXになったのか、急に入れ歯をはずし、顔からパフェに突っ込んだ。
「いひゃー、ほれはほーひへふほひはひひはんひあはへひゃひゃ」
「……うん」
そういえば昔、学級会で「迫田君に眼球をとらせない。入れ歯もはずさせない」っていうルールが作られたな。
先生も朝学級のたびに「迫田は今日も一日眼球をつけていこう!」なんて言っていた。「ファイトッ!!」みたいな。
でも結局迫田君が眼球をはずさなかった日はなかったんだよな。むしろつけてる時間のほうが短かったんだっけ。
昔の事なんて、もうすっかり忘れていたな。
「うちらもいつの間にか大人になったんだよな……」
僕がそんな事を呟くと迫田君がパフェから顔を抜いて、入れ歯を装着しながら顔中のクリームを隣の席にすりつけた。
「な、ウチラもいつの間にか成人男性だもんな。ね、ね、成人記念にオリジナルギャグ言っていい?」
「いいよ」
「起こしてって言っっったじゃん!!!」
「それギャグ?」
「14時に起こしてって言っっったじゃん!!!!」
「その時間ならさすがにテメーで起きろよ」
「今のはちょっと面白いのができちゃったな」と平然と言い放ち、そのまま眼球もはめ込む。迫田君フル装備だ。
あまりにも無邪気にはしゃぐ迫田君をみて、僕はこんな大人がいてもいいよな、と笑みをこぼす。
春の風が迫田君のくしゃみを誘い、くしゃみと同時に眼球が飛んでいく。彼の目は完全に「抜け癖」がついていた。
4月1日
「岸部四郎が返せないほどの借金を作って自殺した」
という嘘で早速笑った。多分あんまり寝てないからだと思う。
さすがにそろそろ寝よう。
夜中にはしゃぐと※羽賀研二が来るから……。
※羽賀研二……日本のマイケルジャクソン。
3月31日
携帯を開いても開いても全然電源が入らなくなった。人間で言ったら、いくら問いかけてもずっと半目状態でいるような感じ。
だから久々に機種変更することにした。前回は3000円くらいでできたから、今回は1万円程持って行けば今より少しはマシな携帯になるだろう。
DOCOMOショップに着き、早速店員に声をかける。
「あ、あの、あのあのあのあのあのあのあのあのあのあのあのあの
きききき機種変更したいんですけどおおおおおお」
と好感度の塊のような挨拶を済ませると、真顔で「はい、かしこまりました」と返されたので、今まで真面目に生きてこなかった事を軽く恥じた。
とりあえず持っている携帯を取り出し、質問する。
「1万円で変えられる携帯ってどんなヤツですかね?」
「は?」
「え? だから、1万円で変えられる携帯ってどんなヤツですかね?」
「は?」
僕が何回この質問をしても、こちらの声が聞こえていないかのように「は?」しか言わない店員。
まるでドラゴンクエストの何回「いいえ」を選択しても同じお願いをしてくるジジイのようだ。
僕は「出た出た。DOCOMOショップ出た出た」と思ったが、いつまでもこんな事をしてても埒があかないので質問を変えた。
「……機種変更で一番安いやつってどれですかね?」
「ああ、はい一番安い値段ですと、この気持ち悪いタイプになりますね。当然折り畳み式ではないですし、なんかボタンのところがスライドするんです。気持ちが悪いでしょう? オススメです」
正直ありえないデザインだったし、僕は折りたたみしか使いたくないので、この携帯は店員に手渡された瞬間元の場所に戻した。
「ちなみに今のが1万6000円ですね」
「……ゥソ!!」
時代の流れとは恐ろしい。まさか一番安いので1万6000円!?
注意書きをみると、安いのは新規契約と、MOVAからFOMAへ変える人だけ。確かに僕も前回の携帯はMOVA→FOMAの人だった。
だから安かったのか。なんか急に背筋が寒くなってくる。
「お、折りたたみ式で一番安いのは、いくらですか?」
「一番安いの? 29800円ですね。
さっきから、「一番安いもの」と連呼し続けるお客様にはちょっと払えない額かと思います。ヒャーーーッッ(←引き笑い)」
29800円。耳を疑いたくなるような値段。あれ? 俺はIpodを買いに来たんだっけ?
帰ろうと思っても、今持ってる携帯は半目開きだし、しかたなくATMに戻り、お金を下ろして購入することにした。
ついでに5万おろしてマシンガンを購入。
「話せりゃええやん。電話やし」と叫びながらDOCOMOショップの店員を全員射殺。パソコンをいじり、
鳩山首相の料金プランを勝手にパケホーダイに変更した。
ついでに皇居にイタ電。「愛子様を学校に行かせないと、日本を爆破する」と心底頭の悪い留守電を残し、docomoの電話を地面にドーン!!
3月最後の日記ドーーン! 日記を観てるみんなにちゅちゅちゅちゅちゅちゅ……。
3月26日
先々週辺りに動物園に行ったんだけど、動物は基本僕らの手が届かない場所にいるくせに圧倒的に臭いから
僕が不機嫌になったのも無理はないと思う。冗談抜きでガラス越しにでも臭い。
なんかその辺にウンコとか落ちてるしさ。もう!! チョコかと思って食べそうになったぞ☆☆!!
とかとてもじゃないけど言えない。アイツら「野外でウンコ」みたいなとんでもないアクロバット技決めるくせに
ウンコしてる時はものすごいローテンションなのな。信じられない。人間だったらとんでもない事になる。
あれ、でもちょっと待てよ? 人間もあれぐらいローテンションだったらウンコしても誰もつっこまないのか?
そりゃ多少の陰口とかはあるかもしれないけど……それだけ……じゃん?
トラは見に来た人たちをあざ笑うかのように背中を向けているし、
シマウマとか心の病気にかかってるとしか思えないような距離感と壁に頭をすりつけるそのうなだれ具合。お前ら帰れ。
むしろ夜行生物達が一番はしゃいでた。モモンガ飛び回ってた。虫とか食うのかな。モモンガ可愛いな。
園内にはふれあい広場みたいなものもあって、そこにいるヤギとかに触ったりもできる。
「珍しい動物に触れると思ったから来たのにヤギかよ! 死ねよ」とか思ったけど、毛がフワフワだった。ああ、これはいい。
ただそこら中に立っている係員達が狂ったように「動物に触れたら手を洗ってください!!」と連呼していた。
「手を洗わないなら!!! もう私達に近づかないで!!!!!」(←超ブス)
多分、本能のままに生きている動物は性欲がハンパないだろうから、
ここにいるヤギとか羊はもれなく下半身の病気にかかっているんだろうなあと思った。
3月22日
家に帰った瞬間母親が鬼の形相で殴りかかってきた。僕は体勢を崩しながらも慌てて避けた。
「なんで避けるの!! 男らしくない!!!」
舌打ちをする母親の後ろでは、父が般若のような顔をして控えている。僕は二人の尋常でない雰囲気にのまれた。
「い、今のは普通よけると思うよ?」
僕の言い訳をきき、母親はため息をついた。
「いい、男の子はね、20を過ぎたらパンチをよけてはいけないのよ。あなたは今いくつ? 25でしょ。今週私は色んな人に殴りかかったけど、避けたのはあなただけよ? 親として情けないわ。精神がもうだめ。病んでる」
母親の薬をいくら処方しても治りそうもない発言を耳にし、僕はため息をついた。なぜなら母親がここまで病んでしまったのは僕のせいでもあるのだから。
話は6年前にさかのぼる。
その昔、ハンターハンターに病的にハマっていた僕は「念」というものにものすごく興味があって、自分でもどうにかこの力を手に入れることができないかと、試行錯誤していた。
もちろん、そんな事を考えるやつに常識なんてあるはずもなく、友達には臆面もなく、
「俺は絶対に力に目覚めたら特質系だよ」とか、「目覚めたらもう働かなくていいよな」とか「勉強とか念に比べたら全然浅いからね」
とか精神異常まるだしかつ、社会に出る資格のない発言を毎日毎日飽きることもなく繰り返していた。
友達はそんな僕に向かって、「一緒にバイトするか?」「現実を見ようぜ?」等の暖かな目を向けてくださったのですが、
そんな事を言われるたびに、僕は、
「そんな当たり前の事ばかり言って、お前は操作系だな。なぜならつまんねえから。せめて変化系になってくれないとお前とはコンビが組めねえぞ。だってダサいもん。ちなみにお前はハンターハンターでいうとアモリだな。あの3兄弟の長男」
と意味不明の発言をしてみんなを困らせた。
しかし、現実世界で念を手に入れることができるはずもなく、僕は段々とあせる事になってきた。
やばい。このままじゃ働かなくてはいけない。
あせった僕はもう一度ハンターハンターを読み返した。なにかヒントはないのか・・・。なにか……!!
そして、何度も何度も読み返しているうちに、究極の選択肢に気づいてしまったのだ。
『自分の体を念で攻撃し、念を強引に目覚めさせる』
働かないで生きていくためには、もうこれしかない……。
なんでそんなに働きたくないのか分からないが、僕はすぐさま行動に移すことにした。
確か、ハンターハンターに書いてあった事を参考にすると、念を持っていない人でも、芸術家が残した絵や彫刻なんかにはオーラが宿っている事があるという。つまり、現実世界でも、何かしらの分野で一流になった人の持ち物には念が宿っている可能性が高いのだ。
しかし、自分の体で試すのはどうも怖い。まずは実験だ。
僕は夜、みんなが集合しているリビングに怒鳴り込み、松岡修三のサイン入りラケットでみんなを一発ずつぶん殴った。
みんなのあっけにとられた顔はすぐに夜叉のように変わり、僕はあっという間に体を縛り上げられ、全身を鮮やかなムラサキ色に染められた。
「なんで、こんなバカな事をするの!!」
「ね、念に目覚めさせてあげようと思って」
「は、念!? 意味の分からないことをいうな!! ほんとクズだお前は。本当に死んでもらうように家族みんなで毎日神様に念じるからな」
あれ以来、僕は父と母の笑顔を見たことがない。
今日も、帰ってきたばかりの僕にいきなり殴りかかってくるという、まるでハンターハンターのごとく常に油断のならない生活が続いているというわけだ。
「いいよ。殴りなよ。今度は避けないから」
僕がそういうと、部屋の奥から弟が出てきて、突然「ヒャッハー」という奇声を上げながら飛び掛ってきた。
「避けるなよ。俺はまだ19だ。成人になってもいない俺のパンチで倒れることはもっとも恥ずべき事だぜえええ!!」
弟のゴリラのような腕からは、うっすらとオーラが見えるような気がした。父親の地を這うような笑い声が嫌に耳に響く。
薄れいく意識の中、僕は家を出ることに決めた。
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