罰ゲーム倶楽部 第3ゲーム ケイドロとお姫様
〜前(前前前前)夜祭〜
優衣が彩に連れられてきたのは駅前に並ぶ商店街の中でひっそりと経営している焼き鳥屋だった。
「彩ちゃん、ここ?」
「うん」
「……屋台で立ち食いだと思ってた」
優衣は自分の格好をまじまじと見る。いくらなんでも、制服のまま飲み屋に入るのはまずいんじゃないだろうか?
そんな優衣の心配に気づいたのか、彩は優衣の手を引っ張った。
「大丈夫、知り合いの店だから制服のままでも入れるよ」
「ありゃ。そうなの」
「ありゃって何よ?」
店の中からは大きな笑い声が聞こえる。というか和也の馬鹿笑いが。
「なんか、バカの声が聞こえるんだけど」
「まあ、みんな集まってるからね」
「なるほど」
入り口には「本日貸切」という張り紙が張ってある。それを見た彩はクスッと笑った。
「何が貸切よ。相変わらずバカだな」
彩が店の引き戸を開けると、中から「せーの」という声が聞こえた。
「お疲れ〜〜!」
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