罰ゲーム倶楽部 第1ゲームじゃんけんぽん


 トラの中からでてきた長髪の男がゆっくりと立ち上がる。

「いや〜、ばれちゃったか〜」

 優衣は口をぽかんと開けてその男を見る。麻紀に目をやると同じように驚いている。そう。二人はこの顔に見覚えがある。

 学校で1・2を争う美形。頭脳明晰、スポーツ万能、今年入ってきた1年生の間でも知らない人はいないほどの有名人。

「な、中川先輩……?」

 麻紀が小さく呟く。優衣は頷いた。これは中川修二先輩だ。裕子と付き合い始めたウワサの修二先輩。その彼が……、なんでこんな事を?

「まあ、覆面なんて、してもしなくてもどっちでもよかったんだけどね。最初はインパクトが大事だってみんなが言うからね」

 修二がニコッと笑う。キレイに並んだ歯並び、真っ白い歯が日焼けした肌に良く似合っていて、嫌味のない爽やかな笑みだ。

 優衣は修二の顔を見つめた。

「みんなって誰ですか?」

「罰ゲーム倶楽部のメンバーだよ」

 すかさず麻紀が口を挟む。

「罰ゲーム倶楽部って、あの有名な……?」

 修二がうんと、頷いた。

「そうそう。その罰ゲーム倶楽部。まあ、昔みたいな無茶はしないつもりだから、これからよろしくね。特にキミ」

 修二は優衣を指差した。


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