罰ゲーム倶楽部 第1ゲームじゃんけんぽん


 優衣がそういうと、仁は大声で笑い出した。周りのメンバー達はポカンとした表情で仁を見ている。

「7対1だからね。あんた達にそれぐらいの罰ゲームはあってもいいでしょ?」

 修二がドアの前から離れ、優衣に問いかける。

「じゃあ俺達が勝ったら?」

「お好きにどうぞ」

 仁がまたもや笑う。

「お前、面白えな。ジャンケンを始めた時点で謝らなかったターゲットは初めてだ」

 仁は修二に向かって手招きした。

「修二、もういいよ。コイツは逃げる心配はなさそうだ」

修二は皆と並び、罰ゲーム倶楽部は全員で円になって広がった。

「罰ゲームを変えよう。優衣。お前が負けたら罰ゲーム倶楽部に入れ」

「え?」

 不意に名前を呼ばれて、少し戸惑う。仁は自分の事を少しは認めてくれたらしい。

「それとも、素っ裸で校庭に放り出されるか?」

 優衣は大きく深呼吸した。

「絶対にいや」

「決まりだ。円に混ざれ」

 優衣は言われるまま円に入った。震えは完全に止まっていた。

仁が中心に拳を突き出す。

「じゃあ、本日最後のゲームを始めよう。種目はじゃんけん。罰ゲームは『絶対服従』か『罰ゲーム倶楽部入り』いいな? 異存がある奴は?」

「いませ〜ん」

 全員が頷く。優衣も大きく頷いた。

「じゃあ行くぞ」


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