罰ゲーム倶楽部 第2ゲーム だるまさんがころんだ


 不意をつかれて、優衣は少し動揺した。

 

「え? 何で?」

 

「優衣がおかしくなるのって、いっつも何かの影響なんだよね。プロレスラーにはまったらその人の得意技とかを男にかけて回ったりとか、映画のキャラにはまったら、その人の口癖をしつこく真似しだしたりとかね」

 

 麻紀は本当に人をよくみてると思う。その隠し事をすぐに嗅ぎつける観察力がすごく怖い。

 

「で、今回は何に影響を受けたわけ?」

 

 

優衣は深く息を吸って、精一杯冷静を装った。

 

「別に、な、何も」

 つもりだったけど全然装えなかった。

 慌てる優衣を見て、麻紀がふふっと小さく笑った。

 

「まあ、言いたくないんなら別にいいんだけどね」

 

 優衣は大きく息を吐いた。危なかった。自分が罰ゲーム倶楽部に入った事は麻紀にはあんまり知られたくない。取り込まれたと思われるのがイヤだから。

 

「この話はもうやめよう。なんか話題変えようよ」

 

「うん。そう言えば、彩さんって今日は観にきてないの?」

 麻紀の言葉を聞いて優衣は俯いて震えだした。

 麻紀は下から優衣の顔を眺める。

「優衣……?」

 しばらく震えた後、優衣は涙ぐんで顔を上げた。


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