罰ゲーム倶楽部 第2ゲーム だるまさんがころんだ


〜絶対権力〜


 

 休み明け、外は相変わらず暑い。夏の太陽が木々を照らし、校舎に深い影を落とす。

 遠くでは用務員のおばさんが花壇にホースで水をまいている。霧状になった水達が光を透過してキラキラと光る。

 

 一時間目は優衣の苦手な理科の授業だった。退屈な暗号を機械的な声で読み続ける理科の百瀬先生は、頬がげっそりとこけていて、無駄な肉がついていないその体がなんだかロボットみたいに見えてくる。

 こんないい天気なのに教室で過ごさなきゃいけないなんて、なんだかもったいないな。

 優衣がそんな事を考えていると、後ろから麻紀が肩を叩いてきた。

「何?」

 少し体を後ろに回すと、堂々と居眠りする啓介が目に入ってきた。眠ってばっかだな。コイツは。

 麻紀は先生にバレないように小声で話してくる。手には「罰ゲーム倶楽部」と書かれた小さな紙切れを持っていた。

「罰ゲーム倶楽部のメンバー。どういう人たちか知りたくない?」

「知りたい!!」

 思わず大声をだした優衣をとがめるように、麻紀は人差し指を唇に当てる。

「私が調べた範囲でだけど、この紙に書いてきたから」

「マジ? ありがとう」

 優衣は麻紀から受け取った紙を開き、目を落とした。

 


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