罰ゲーム倶楽部 第2ゲーム だるまさんがころんだ
優衣と麻紀は顔を見合わせる。
「『だるまさんがころんだ』だってさ。そんなんで遊ぶの小学生以来だよ」
「あたしも」
優衣と麻紀の元に彩がやってきた。
「麻紀ちゃん。後悔するよ〜? 本当にバカばっかりなんだから」
「いやいや、大丈夫ですよ。普通の生活よりも全然面白そうじゃないですか」
優衣が話しに割って入る。
「そういえば彩ちゃん、さっき何話してたの?」
「この部活を続けてれば、いずれ優衣にも分かるよ。……でも、二人には引き返せるうちにこのクラブをやめて欲しいんだけどね」
そう言って笑う彩の顔が、優衣にはなんだか寂しそうに見えた。
「そういえば、彩さんはもう罰ゲーム倶楽部には戻らないんですか?」
麻紀が無邪気な顔で彩に問いかける。彩は小さくため息をついた。
「近いうちに戻るよ。優衣も麻紀ちゃんも危なっかしいから、私が守ってあげなきゃね」
「やった!」
優衣は両手を握り締めガッツポーズを作って叫んだ。麻紀と彩、この二人と一緒ならこの部活もそんなに悪くない。いや、むしろ楽しみになってきた。
第2校舎から外に出ると、太陽の熱が肌をじりじりと焦がした。
蝉の鳴き声が遠くからお腹に響いてくる。
夏休みまであと一週間。今年の夏は特別な思い出が出来そうだ。
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