罰ゲーム倶楽部 第2ゲーム だるまさんがころんだ


 

仁の雰囲気が変わった。無邪気な子供のような目が厳しくツリあがる。

 

「OKって事ね?」

 

「女だからって、手加減すると思うなよ?」

 

「当然でしょ?」

 

 仁の目を見ているだけで優衣の鼓動は速くなっていった。最近、こんなに凄味のある相手と闘う事があっただろうか? 二階から飛び降りるよりもスリルがあるほどの相手と。

 

 優衣は頭の中でシミュレーションしてみる。一瞬で距離を詰めて油断している顔に上段。いや、下段で体勢を崩してから……。

 

 仁の目は何を考えているのか分からない。ダランとたらしたままの両手。その佇まいは相変わらず隙があるのかないのかよく分からない。

 

 う〜んごちゃごちゃと考えるのはもったいない。自然に任せよう。動けない状態だと、どっちみち相手のテンポも読めない。体が動きたがるほうに動く。それでいいや。

 

 軽く息を吸い込む。

 

 

「予告してやるよ、顔にすげえのぶち込むからな」

 

「やれるもんならやってみなよ」

 

 仁と優衣はお互いにフッと笑った。

 


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