罰ゲーム倶楽部 第1ゲームじゃんけんぽん
「ねえ、麻紀ってさ、彩ちゃんの事……」
優衣の言葉を遮るかのように、教室のスピーカーから呼び出し音が流れた。
優衣はスピーカーを睨みつける。
「あー、放送委員、マジウザイ」
麻紀はそれを見てクスクスと笑う。
「優衣、心狭い。そんなんじゃ彩さんみたいになれないよ?」
「なんでよ。今のは放送委員が空気読めないのがいけないんじゃん!!」
「空気読んでたらいちいち放送なんか出来ないから。まあまあ、ちょっと静かにしようよ」
優衣は頬を膨らませた。放送なんてどうせ生徒会の件に決まってるよ。そんなしつこくしなくても、もう覚えたっつーの。
放送室ではどうやらマイクのチェックをしているらしい。コンコンという音が教室に響く。
「いやー、緊張するね」
スピーカーから声が教室中に響き渡った。クラスに小さな笑い声が沸く。
「あ〜、あ〜、マイクチェックマイクチェック。テステステステス、テステステステステス」
なんだろう。変な奴が放送室にいるな。新しい放送委員だろうか?
10秒ぐらいの沈黙が流れ、スピーカーからノイズのような音だけが漏れている。なんだかいつもの放送とは雰囲気が違う。優衣と麻紀は顔を見合わせた。
やがて、低く透き通った声の男が、ヘラヘラとした口調で喋りだした。
「え〜、どうもこんにちは。罰ゲーム倶楽部です」
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