罰ゲーム倶楽部 第2ゲーム だるまさんがころんだ


「高橋百合ちゃん?」

 

 砂場に到着した優衣は、女の子に恐る恐る聞いてみる。人違いだったらこんな事やる意味がまったくない。ていうか、別人であってほしい。優衣は強く願った。

 

「うん!」

 

 女の子は元気よく返事をした。

 

「そっか、百合ちゃんなんだ……」

 

まあ、当然と言えば当然だ。淡い期待を抱いた自分に腹が立つ。

 

「お姉ちゃん、誰? 何か用?」

 

 百合の隣にいる少年が優衣に問いかけてくる。

 

「うん、ちょっとね。君の名前は?」

 

「僕は洋介。百合の彼氏」

 

 か、彼氏!!?

 

 あまりの衝撃に優衣は言葉を失った。恥ずかしそうに頷く百合を見ると、どうやら本当らしい。

 

「あたし達、将来結婚するんだよ」

 

 百合の言葉を聞き、優衣は更に絶句する。最近の小学生はここまで進んでいるのか。

 

 自分はまだ男の子と付き合った事さえないのに……。

 

 

 そんな事を考えていると、頭の中で仁にキスをされた光景がフラッシュバックした。真っ赤になって首を横に振り、必死に映像を振り払う。

 

「お姉ちゃん、どうかしたの?」

 

「っっなんでもない!」

 


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