罰ゲーム倶楽部 第3ゲーム  ケイドロとお姫様


 優衣と麻紀が部室に入ると、仁と彩を抜かしたメンバーが揃っていた。そして、いつもと違う点が一つ。見慣れない顔の男が一番手前の席に座っていた。

 

「え? 誰?」

 

 名門私立高校の制服に身を包んだ幼い顔立ちの男。この人も罰ゲーム倶楽部のメンバーだろうか?

 

 

 優衣たちが戸惑っていると、和也が男の頭を掴んだ。

 

「こいつ、今回の依頼人。名前は藤堂 圭(とうどう けい)」

 

 優衣は和也の手を指差して怒鳴る。

 

「ちょっと何やってんの!! 失礼でしょ!!」

 

「大丈夫だよ。だって俺の方が年上だもん」

 

「それは『大丈夫』な理由になってない!」

 

「大丈夫です」

 

 圭はそう言って小さく頭を下げた。

 

 麻紀が圭の顔を覗き込む。

 

「依頼人って、例の100万円の人ですか?」

 

「そうです」

 

「へえ〜」

 

 優衣は驚いた。意外だ。依頼人はいい年した大人だと思っていたのに。自分と同い年ぐらいの男の子が100万円なんて大金をポンと出してしまうなんて、世の中はどこかおかしい。

 


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