罰ゲーム倶楽部 第3ゲーム ケイドロとお姫様
「どんな依頼したのか知らないけど、こいつらに頼まないほうがいいよ。ロクな結果にならないから」
優衣がそういうと、いつも通り机に突っ伏していた啓祐が起き上がった。
「そうだな。めんどくさい依頼はやりたくねえな」
「そんな……」
圭の表情が一瞬で曇る。どうやらよっぽど追い詰められているらしい。まあ、100万も出すぐらいだからそりゃそうか。
「オメエら、勝手なこと言うなよ。依頼はもう引き受けてんだ」
誠が二人に睨みをきかせると、優衣と啓祐は「そうすね」と気のない返事を返した。
ムスッとしている誠の肩を和也が笑いながら叩く。
「はは。お前ナメられてるな」
誠は和也の手を軽く振り払った。
「うるせえよ」
「あの〜」
突然の声に、誠はビクッと振り返る。いつの間にか誠の隣の席には麻紀がちょこんと座っていた。
「ここ、座ってもいいですか?」
「ああ。ていうかもう座ってるな」
「はい」
麻紀が隣に座った所で、さっきまで軽くムスッとしていた誠の表情が穏やかになる。その状況を見ていた優衣は小さく呟いた。
「……やっぱり恋の季節だ」
102ページ