罰ゲーム倶楽部 第3ゲーム  ケイドロとお姫様


「よお、集まってるか?」

 

 少し遅れて部室に仁が入ってきた。その少し後ろには彩の姿がある。

 

 仁は圭の顔を確認し、奥の席に座った。

 

「彩ちゃん。ここ、ここに座って」

 

 優衣が隣の席を指差すと、彩はニコッと笑って優衣の隣に座った。

 

「優衣、ちょっと陽に焼けたね」

 

「うん。変な焼け方してる?」

 

「ううん。優衣にはそっちの方がよく似合うよ。うらやましい」

 

「うらやましい? 何で!?」

 

 優衣は彩をまじまじと見た。夏の照りつける太陽など関係がないといった感じで、彩の肌は真っ白だ。雪のような、透明なような、まあ、とにかく綺麗な肌。女の子なら皆こういう女の子に憧れるに決まってる。

 

「彩ちゃんの方が全然いいよ。肌はキレイだし、女の子らしいし」

 

「でも彩は心が真っ黒だもんな」

 

 遠くから仁が笑いながら言った。

 

「仁よりはマシ」

 

 彩の口元は笑みを浮かべていたが、目は笑っていなかった。優衣は初めて見る彩の表情に少し怯えた。


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