罰ゲーム倶楽部 第3ゲーム ケイドロとお姫様
「優衣、酔っ払いはほっといてこっちにきなよ」
彩が奥の席から手招きしてくる。優衣は小さく頷いて、カウンターの実を一瞥した。
「モモ肉、早くね」
「うるせえな。焼いてるから待て」
鶏肉が灰色の煙をあげ、実の顔がぼやける。ちょっと離れていても目が痛いのに、実はよく平気だな。と、優衣は変な所で感心した。
手元にある砂肝を3本掴んで彩の席に向かう。後ろから和也が「300円!」と叫んでいたが、普通に無視。酔っ払いのメンバー達の席を通り抜けると鼻にはアルコールの香りが広がった。
奥の席には彩、圭、仁の三人が座っている。バカみたいに騒ぐメンバー達の中で、なんだかここだけが大人の集まりって感じだ。
仁は椅子に片ヒザを立てながらタバコに火をつける。その仕草がなんだか様になっていて、年齢差が余計に大きく感じた。
……仁の隣の席に
座ってみようかな。
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