罰ゲーム倶楽部 第3ゲーム  ケイドロとお姫様


 優衣がそう思った瞬間に、仁の隣に修二がやれやれと腰を下ろした。

 

 優衣は少しうな垂れて、彩の隣に座る。どうやら修二とはとことん相性が悪いらしい。

 

「どうかした?」

 

「ううん。なんでもない」

 

 優衣がそう言うと、仁が優衣の元に缶コーヒーを転がした。

 

「おねむの時間か?」

 

「子供扱いしないで!」

 

「すぐムキになんなよ」

 

 仁はタバコを一息吐くと子供のような笑顔を優衣に向けた。

 

 仁とまともに向き合った優衣はなんだか恥ずかしくなって仁から顔を背ける。

 

 そんな優衣を、彩は不思議そうな顔で眺めていた。

 

「さてと、じゃあ聞かせてもらおうか」

 

 仁が正面の席に座っている圭に手を差し出して話を促した。

 

「何を聞くの?」

 

 優衣が不思議そうな顔で彩に問いかける。

 

「圭君の恋の話よ。『ただ女の子盗みます』じゃモチベーションあがらないでしょ? 」

 

「特にお前はな。変なゲームだとサボりかねないしな」

 

「うるさいなあ。今度はちゃんとやるよ」

 

 優衣はブスっとした顔を仁に向けながら砂肝串をほおばった。

 


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