罰ゲーム倶楽部 第3ゲーム  ケイドロとお姫様


〜圭と小夜子〜


 一年前。

 名門私立の「青葉高校」の一年三組の教室の窓際の席に圭はいた。

 

 窓から外へ顔を出すと雲の切れ目に鳥が一羽。高く高く飛んでいる。

 

 圭はそれを眺めながら、いつも通り休み時間を過ごしていた。

 

 談笑する女の子の輪。バカ騒ぎしている男達。

 

 休みの時間でさえ鉛筆を走らせ続ける猫背の生徒。昼前から弁当を食べ始めるスポーツマン。

 漫画を読みふける生徒。周りに聞こえる音量で曲を流す数人の男たち。いつも一緒にいるカップル。

 

 圭はそのどれにも当てはまらない孤独な少年だった。

 

 

「ねえ、いつもそんな端っこにいて、何か面白いことでもあるの?」

 

 突然の話し声。妙に近いところから響く。

 

 自分に話しかけているのかと思い、圭が視線を動かすと、そこには小柄な女の子の姿があった。

 


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