罰ゲーム倶楽部 第3ゲーム ケイドロとお姫様
〜心を与える〜
圭が小夜子と付き合い始めて2ヶ月が経った。
噂はあっという間に広がり、気がつけば二人はクラスの公認カップル。
小夜子の顔の広さに圭は驚きながらも納得した。
小夜子は相変わらず学校中を飛び回り、知り合いの輪を広げている。一人で生きていく強さが欲しいとか言ってた割に生活は前のままだ。
それに影響されてか、圭も小さい友達の輪を作っていくようになった。
本当に小さな小さな輪。だけど、暖かさがそこにはあった。
「くだらない話ばっかりして、よく笑ってられるな」
そんな事を思っていた圭も、今ではくだらない話に大口をあけて笑っている。
素通りしてきた数々の出会い、忘れていた温度。その空間は一人の気楽さよりもずっと居心地がよかった。
自分が思い描いていたくだらない生活、くだらない話。
それも悪くない。
「圭〜」
小夜子が大きな弁当箱を持って遠くから走ってくる。
124ページ