罰ゲーム倶楽部 第3ゲーム ケイドロとお姫様
圭がそう言うと、仁は懐から小さな紙を取り出した。
「藤原小夜子。17歳。桜町から赤鷺町までの三つの町を席巻する大手『藤原グループ』の一人娘。婚約者あり。高校卒業と同時に結婚する予定」
「結婚!?」
優衣は目を剥いて驚いた。話が急すぎてついていけないのは優衣だけではなかったが、圭だけは知っていたのか黙って目線を落としていた。
「つまり、二股かけてたってコトなの?」
「だな」
「そういうことね」
優衣の問いかけに彩と修二が頷いて答える。
「遊ばれたな」
仁はニヤッとして圭の肩を叩いた。
「そうかもしれませんね」
「でも」と圭は小さく呟いた。
「小夜子はああ言ったけど、約束の時間はまだ来てないんですよ。正確にはあと2ヶ月あります」
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