罰ゲーム倶楽部 第3ゲーム  ケイドロとお姫様


 圭がそう言うと、仁は懐から小さな紙を取り出した。

 

「藤原小夜子。17歳。桜町から赤鷺町までの三つの町を席巻する大手『藤原グループ』の一人娘。婚約者あり。高校卒業と同時に結婚する予定」

 

「結婚!?」

 

 優衣は目を剥いて驚いた。話が急すぎてついていけないのは優衣だけではなかったが、圭だけは知っていたのか黙って目線を落としていた。

 

「つまり、二股かけてたってコトなの?」

 

「だな」

 

「そういうことね」

 

 優衣の問いかけに彩と修二が頷いて答える。

 

「遊ばれたな」

 

 仁はニヤッとして圭の肩を叩いた。

 

「そうかもしれませんね」

 

「でも」と圭は小さく呟いた。

 

「小夜子はああ言ったけど、約束の時間はまだ来てないんですよ。正確にはあと2ヶ月あります」

 


129ページ

次へ   前へ    目次へ   TOPへ