罰ゲーム倶楽部 第3ゲーム  ケイドロとお姫様


〜姫を守る大要塞〜


 

 大理石の壁。一人で生活するには広すぎる部屋。レースのカーテンは窓やベッドにくもの巣のように張り巡らされ、外界からの強い光を淡く抑える。

 淡い光の中、小夜子はベッドに腰掛けたままオルゴールの音を聴いていた。

 

 

 部屋をノックする音。小夜子は慌てて立ち上がり、ドアの前まで走って行く。

 

 ドアを開けると、そこには長身で色白の男が立っていた。

 

「今日は早かったね」

 

 男はニコッと笑い、四角い箱を小夜子に手渡す。

 

 小夜子は男の顔を確かめると、ほっと小さくため息をついた。

 

「これからパーティーがあるから、このドレスを着ておけよ」

 

「……はい」

 

「心配ねえって。俺に従っておけば何の間違いもないから。な?」 

 

「分かってます」

 

「いい子だ」

 

 男は小夜子の頭をポンポンと叩くと、部屋を出て行った。カーテンの引かれた窓から光はすでに遮断されていて、先ほどよりも一層深い闇が小夜子を包んだ。

 


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