罰ゲーム倶楽部 第3ゲーム  ケイドロとお姫様


「よし、行こうか」

 

 優衣は勢いよく立ち上がると大きく腕を回した。彩が優衣の袖をクイっと引っ張る。

 

「別に今日じゃなくてもいいんだよ? まだ時間もあることだし」

 

「いや、今日行く。早く知っておきたいんだ」

 

 そういうと優衣はグロッキーになった麻紀の顔を平手でパンパンとはたいた。

 

「麻紀! 麻紀!! 出発するよ。いい加減に自分の足で歩きなよ」

 

「こらこら」

 

 彩が慌てて優衣を止める。麻紀は何が起こったのか分からないといった表情で何度も瞬きを繰り返す。

 

「な、な?」

 

「さぁ。行こう」

 

 半分寝ぼけている麻紀を強引に立たせ、手を引っ張る。力を完全に抜いている麻紀はヌイグルミのように抵抗がない。

 

「で、小夜子さんの家はどこだっけ?」

 

  彩は半分呆れ顔、どこか笑みを含んだ表情で優衣の一連の行動を眺めていた。

 

「はいはい。案内するから」

 


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