罰ゲーム倶楽部 第3ゲーム  ケイドロとお姫様


 

 薄暗い街灯の下を歩きながら、優衣は彩に問いかける。

 

「彩ちゃんは知ってたの? 小夜子さんが監禁されてるコト……」

 

「全然。カマかけてみたんだけど、当たってたね」

 

 優衣は顔を上げ、星空を見ながら目を細めた。

 

「金持ちの都合ってよく分からないけどさ、なんか間違ってるよ。小夜子さんの幸せを全然考えてないと思う」

 

 彩が首を傾げながら優衣の顔を覗き込む。

 

「優衣、気合入った?」

 

 優衣は「うん」と小さく頷いた。

 

「絶対に助け出してみせる。それに……」

 

「それに?」

 

「あの喜一って人。強そうだね。久々に燃えてきた」

 

「あの人はやめておいたほうがいいよ」

 

 彩は優衣の背中をポンと叩く。

 

「うちのボンクラ共よりも強いから」

 

「だろうね。空気が違ったもん」

 

「おまけに1対1なんてシチュエーションも期待できないからね」

 

「分かってるよ。多勢で守ってるんでしょ?」

 

 優衣がそういうと、彩が小さくため息をつく。

 

「あ〜あ、これで100万か」

 

 その後に二人で「割りに合わない仕事だね」とハモッて笑った。


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