罰ゲーム倶楽部 第1ゲームじゃんけんぽん
〜接触〜
優衣の問いには誰も答えなかった。優衣は生徒会室のドアを開けた。
「もういい! 自分で探す!!」
そのまま乱暴にドアを閉めて出て行く。悪に屈するのは自分のプライドが許さない。直接注意してやめさせてやる。
優衣が生徒会室を出ると、目の前に中川修二の姿があった。壁にもたれかかったまま、「やあ」と軽く手を突き上げる。
「昼休みぶりだね」
「修二先輩……」
「先輩なんてよそよそしい。修二でいいって」
優衣は拳を握り締めた。自分がこんなヘラヘラしたした男に隙をつかれたのかと思うと情けなくなる。
修二は無防備なまま近づいてくる。優衣は一歩下がった。
「優衣ちゃん。罰ゲーム倶楽部の部室を探してるんだって?」
「聞いてたの?」
「うん」
修二はニヤッと笑った。
「ちょうどウチらも君の事を探してたんだよね」
「うちらって、罰ゲーム倶楽部?」
修二は「もちろん」と言いながら手を差し出した。
「案内しますよ。お嬢さん」
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