罰ゲーム倶楽部 第1ゲームじゃんけんぽん
「で、お前をここに呼んだのは、一応釘を刺しておく為なんだけどな。さっきの話を聞くと、思ったより調子に乗ってるな。お前」
仁の眼光が優衣に突き刺さる。優衣は仁を睨み返した。
「調子に乗ってるのはどっちよ? ふざけたクラブに30万円なんて大金、払えると思う?」
周りのメンバーの顔つきが変わった。新しいおもちゃを見つけた。そんな表情をしている。仁は勢い良く机を蹴り上げた。
「ヤクザの世界ってなめられたら終わりなんだよな? その中でも、ヤクザが一番なめられちゃいけないって言われているのはどんな人種か知ってるか?」
優衣は仁の顔をまっすぐ見つめる。視線は外さない。絶対に。
「ヤンキーなんだってよ。いずれ自分のフィールドに入ってくるかもしれない奴になめられたら、示しがつかないもんなあ?」
仁はコーヒーを一口のみ、優衣を見下ろした。
「で、お前は俺達のテリトリーに入ってきてる訳だけど、お前のさっきの意見は生徒会全員の意思か? それとも……」
優衣は拳を握り締める。返答しだいではただではすまないだろう。優衣は口元を引き締めた。
「生徒会は関係ない。私個人の意見。あんたらが気に入らないだけ」
啓介が起き上がり「あ〜あ」と小さく声を漏らして笑っている。
「シャレじゃねーんだぞ」
「シャレでこんな所に来ると思う? 私はそんなに暇人じゃないよ。あんた達と違ってね」
仁は背もたれに深く腰掛け、深く息を吐く。その後に指をパチンと鳴らした。
「おい、最後のゲームだ。じっくりと楽しもう」
仁の合図を聞き、罰ゲーム倶楽部のメンバーは全員立ち上がった。
「ゲームの種目はてっとり早くジャンケンでいいや。罰ゲームは三人。内容は、そうだな……」
仁は優衣を指差した。
「芹沢優衣をすっぱだかにして、校庭に放り出せ」
優衣の体中に震えが来た。
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