罰ゲーム倶楽部 第2ゲーム だるまさんがころんだ


〜会議の時間〜


 

 薄暗い第2校舎の地下にある部室には7人の男たちが集まっていた。

 荒谷仁はテーブルの手紙に目を落とし、その他の6人はトランプで遊んでいる。

 

 

「おい仁。お前も混ざれよ。遊ぼーぜ」

 

 仁は手紙を拾い上げ、椅子に深く腰掛けた。

 

「ちょっと黙ってろ。今考え事してんだからよ」

 

「おいおい、せっかくの休みなんだからちょっとは楽しめよ」

 

 赤い髪を後ろに流しながら吉岡和也はトランプを一枚テーブルに投げた。

 

「9」

 

「あ、和也君。それダウトっす」

 

 すかさず水島啓介がトランプを指差す。

 

「はあ? お前マジで言ってる?」

 

「はい。ダウトで」

 

「お前、なんかさっきから俺ばっかり狙ってねえ?」

 

「和也君、いつもまともなカード出さないっすから」

 

 啓介がトランプをひっくり返すと、ハートの8がでてきた。啓介はそのままテーブルにあるトランプをすべて和也に手渡す。

 

「ほら。ダウトじゃないすか」

 

「ふざけんなよ〜。まじめんどくせえ。なあ、優衣はまだ来ねえの?」

 

「もうすぐ来るだろ」

 

 中川修二が手元の腕時計を見ながら返事を返した。時刻は1時半を指している。

 

 和也は手元にあるトランプをすべて拾い上げた。54枚のトランプのうちの半分が和也の手元にある。

 

 

「ったくよ〜。マジ暇だよな〜。仁、混ざれよ。罰ゲームしようぜ」

 

 仁は手元の紙に視線をおいたまま返事を返す。

 

「話しかけんなよ。あと3分でいいから」

 

「あ〜もう。何が大会だよ。優衣のバカが。さっさと来いっての」

 

 和也は愚痴りながらテーブルにトランプを放り投げた。

 

「1」

 

「ダウトッす」

 

「はあ? お前それはさすがにねえだろ」

 

「そうっすかね」

 

 啓介がトランプをひっくり返すと、スペードのキングが出てきた。

 

 和也は啓介を睨みながらタバコに火をつける。

 

「お前さ、ちょっとは先輩に気をつかえよ」

 

「ゲームには先輩後輩関係ないっすよ」

 

 啓介は手元のトランプをヒラヒラと振りながら自慢げに笑った。

 

 

 

「おい、優衣が来たぞ」

 

 半田 実(はんだ みのる)がドアを開けて入ってくると、仁はゆっくりと立ち上がった。

 

「誰か連れてきてるか?」

 

「彩と本田麻紀だ」

 

 和也が机から身を乗り出す。

 

「はあ? あいつ何やってんだ!? 部外者連れてきてどうすんだよ」

 

「まあ、彩は部外者じゃないだろ」

 

 仁はニヤッと笑った。

 

「まとめて部室に入れろ。そろそろ始めるぞ」


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