罰ゲーム倶楽部 第2ゲーム だるまさんがころんだ
夏の第二校舎は薄暗いだけじゃなくじめじめとしている。タダでさえ走ってきて暑いのに、この蒸されるような熱気は拷問に近い。
優衣はワイシャツの胸元をパタパタと振りながら階段を下りていった。
「こっから先は何をされても責任とれないからね」
脅しをかけてみたが、後ろを振り返ってみると待っていたのは麻紀の嬉しそうな顔。緊張感はゼロだ。
「面白そう。なんだかワクワクするな」
「つまんないよ」
麻紀の隣で彩が微笑みながら呟く。
彩はそのまま麻紀の肩を掴み、まっすぐ目を見つめた。
「ほんっっっと〜〜につまんないよ」
「は、はあ……」
「あ、彩ちゃん。もういいから……」
優衣は階段を下りきり、ゆっくりとドアノブを回した。
ドアを開けた瞬間、優衣の体を冷たい風が通り過ぎた。
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