罰ゲーム倶楽部 第2ゲーム だるまさんがころんだ


 

 クーラーの冷風が汗で湿ったワイシャツを冷やす。さすがに寒くなってきた優衣は仁にお願いした。

「ねえ。クーラーの温度下げてよ」

 

「ん? 適温だろ?」

 仁は手元のリモコンに触れようともしない。優衣は少し怒った口調で促した。

「寒いよ! 下げてよ!」

 和也が怪訝な表情で優衣の体をまじまじと眺める。

「ていうかお前汗だくじゃねえ? 気持ち悪りぃ」

「あんたほんとにムカつくな!! 走ってきたんだからしょうがないでしょ!?」

「他の二人は汗かいてねえけど?」

 優衣は彩と麻紀を見た。二人ともよく見たらTシャツに着替えている。

 そうか。さっき私が話してる間に部室前で着替えてたんだ。ああ。もう。マジで寒い。

 和也が急に立ち上がり真剣な顔をして優衣の顔を見つめる。

「な……何よ?」

「優衣、お前……、ひょっとして……デブ…なのか……!?」

「ねえ! 和也と真剣に殴りあいしたいんだけど!!」

 

「和也、あんまからかうな。優衣、2度だけ下げてやるから黙ってろ」

 仁がリモコンを持って偉そうになだめてくる。温度下げるくらいすぐにやってよ。めんどくさいクラブだな!!

 和也が優衣のワイシャツを指差す。

「下着が透けてますけど。お嬢さん」

「変態!!」

 啓介がため息をついて二人を指差した。

「仁君。無視して続けちゃってくださいよ。この二人に構ってたら終わんないっすよ」

「確かにな」

 仁が頷く。和也は半笑いで優衣をからかう。

「言われてやんの〜」

「あんたもでしょ!」

「とりあえ・ず! ゲームの内容だけ聞こうぜ」

 優衣と和也の間に修二が割って入る。ここ数日で名物となった二人のケンカを止めるのはいつも修二の役目だ。

 


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