罰ゲーム倶楽部 第2ゲーム だるまさんがころんだ
乱暴に椅子に座る優衣の元に、半田実がやってきた。
坊主で顎鬚を生やしたその顔は、17歳という年齢よりもずっと大人っぽく見える。
「これでも食って落ち着け」
そう言って実は優衣と和也に一箱ずつチョコボールを手渡した。
「あ、ありがとう」
「悪いな。優衣のせいで迷惑かけて」
和也の言葉を無視して、優衣はチョコボールを空けた。
「あ、銀のエンゼルだ」
優衣がそう言った瞬間、実がものすごい勢いで立ち上がり、優衣からチョコボールを奪った。
「え?」
呆然とする優衣に実は冷たい目線を送り、地を這うような低くしゃがれた声を出した。
「……この……、エンゼル泥棒が!!」
「は!? 意味わかんない」
銀のエンゼルごときで盗人呼ばわり? 本当にやめたい。こんなクラブ。
優衣は大きくため息をついた。
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