罰ゲーム倶楽部 第2ゲーム だるまさんがころんだ


 乱暴に椅子に座る優衣の元に、半田実がやってきた。

 坊主で顎鬚を生やしたその顔は、17歳という年齢よりもずっと大人っぽく見える。

「これでも食って落ち着け」

 そう言って実は優衣と和也に一箱ずつチョコボールを手渡した。

「あ、ありがとう」

「悪いな。優衣のせいで迷惑かけて」

 和也の言葉を無視して、優衣はチョコボールを空けた。

「あ、銀のエンゼルだ」

 優衣がそう言った瞬間、実がものすごい勢いで立ち上がり、優衣からチョコボールを奪った。

「え?」

 呆然とする優衣に実は冷たい目線を送り、地を這うような低くしゃがれた声を出した。

 

 

 

「……この……、エンゼル泥棒が!!」

 

 

「は!? 意味わかんない」

 銀のエンゼルごときで盗人呼ばわり? 本当にやめたい。こんなクラブ。

 優衣は大きくため息をついた。


66ページ

次へ   前へ   TOPへ   目次へ