罰ゲーム倶楽部 第2ゲーム だるまさんがころんだ
授業中に教室をぬけ出せるわけがない。この状況で一体どうしろと?
優衣の動揺に気づいたのか、後ろから啓介が声をかけてくる。
「心配すんな。この学校に俺らのゲームを邪魔できるヤツなんかいねえよ」
優衣が後ろを振り返ると、啓介が悪魔のような笑顔を浮かべていた。
「罰ゲーム倶楽部の権力は絶対だ」
優衣は続けて先生の顔を見た。百瀬先生は教室の隅に挟まったまま俯いている。例のとおり目の焦点は合っていない。スピーカーから更に音声が流れる。
『ゲームの邪魔をしたい方はご自由にどうぞ。その時は罰ゲーム倶楽部を敵に回すことになりますけどね』
啓介がスピーカーに向かって親指を立てた。
「な?」
優衣は口元を緩ませる。
「なるほどね。まあ、どっちみち退屈な授業だったしね」
「ふう。本当に何でもありなんだね」
三人は一斉に立ち上がった。クラスメイト達の視線が三人に集中する。
『さあ、ゲームの時間です。じっくりと楽しみましょう』
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