罰ゲーム倶楽部 第2ゲーム だるまさんがころんだ
宙に浮いてる時間が長く感じる。時が止まったみたいだ。
とりあえず、衝撃を殺さなきゃ。足で受身。あたしならできるはず。
優衣は花壇に片足をつくと同時にトトンと軽く跳ねた。リズミカルに跳ねた足は驚くほど体に衝撃を伝えなかった。
あれ……、大丈夫……だよね?
優衣は両足を軽く振り上げてみる。痛みは全然感じない。
「なんだ〜。全然いけんじゃん!!」
『こ〜ろんだ!!』
タイミングよくコールが終わった。二階の窓を見ると百瀬先生がほっと胸を撫で下ろしている。優衣はVサインを作って見せた。
これでだいぶ時間は稼げたはず。あたしが一位をとったら仁はどんな顔をするだろうか。
優衣は仁の悔しがる顔を想像した。
『だ〜〜〜る〜〜〜ま〜〜〜さ〜〜〜』
こみあげてくる喜びを押さえきれずに優衣は大声で叫んだ。
「よーし!! ぶっちぎりで勝つ!!」
優衣が叫ぶと同時に、後方で爆発音のような大きな音が響く。
「……え?」
優衣が振り向くと、3階から花壇に向かって次々と人間が降ってくるのが見えた。
合計5人の男たちが花壇に着地し、そのまま座り込む。
「あ〜、いってえ」
「お、優衣じゃん」
「やっほー、優衣ちゃん元気?」
「……チョコボールがつぶれた」
優衣は口を開けたままポカンと5人を見た。花壇に座っているのは半田実、神谷誠、中川修二、吉岡和也、そして、荒谷仁の5人。まさか、5人とも3階から飛んできたワケ!?
『こ〜ろ〜ん〜だ!!』
呆然とする優衣の顔を見て、仁が不敵な笑みを浮かべる。
「優衣、何叫んでんだ。勝負はこれからだろ」
優衣は唾を飲み込んだ。
「……みたいだね」
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