罰ゲーム倶楽部 第2ゲーム だるまさんがころんだ
優衣が大きな声を聞いて振り返ると、フランスパンが入るほど大きな紙袋を持った和也が砂場に向かってきていた。
「お菓子食べる人〜〜」
洋介と百合は少し戸惑った表情を浮かべている。
和也の気持ちが悪いほど無邪気な笑顔を見て、優衣はなんだか嫌な予感を感じた。
「か、和也、何する気……」
喋ろうとする優衣の口を塞ぎ、和也はまっすぐ洋介の元へ向かっていく。
「君たち、お菓子は好きかな?」
和也はなんともうさんくさい顔で洋介たちの前にしゃがみこんだ。
洋介と百合は顔を見合わせる。和也は紙袋を上に掲げた。
「ほらほら、早く答えないとお菓子が逃げちゃうよ?」
「お兄ちゃん誰? その袋は何?」
和也はよくぞ聞いてくれましたといわんばかりに反り返る。
「お兄ちゃんはね、お菓子屋さんだよ。新しい商品が出来たから、子供達に試食してもらおうと思って持ってきたんだ」
百合は嬉しそうに目を輝かせ、和也に向かって手を伸ばした。
「嬉しい。お菓子大好き。ちょうだい」
「はいはい。ちょっと待ってね」
和也は紙袋をごそごそと探り出し、一枚のチョコを取り出した。
「召し上がれ」
「ありがとう」
「俺も欲しい! ちょうだい」
洋介が飛び跳ねながらお菓子をねだる。和也はニヤッと笑った。
「ちょっとゲームをしようか?」
「え?」
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