罰ゲーム倶楽部 第2ゲーム だるまさんがころんだ


「これでよしと。俺の勝ちだな」

 和也が満足そうな顔で優衣を見下ろす。

 

「あたしは負けてない。ていうかやりすぎ」

 

「どこがだよ。みんなこれぐらいは普通にやるぜ?」

 

 今日の出来事が幼い百合ちゃんのトラウマになってしまわないかと、優衣は本気で心配した。

 

 しかし、実行犯の和也は全然反省の色を見せない。

 

 

 

 優衣は呆れた顔をして和也を見た。和也はやれやれと肩をすくめる。

 

「お前は甘いんだよ。もっとここを使えここを」

 

 そう言って和也は自分の頭を人差し指でトントンと叩く。

 

 結果的に和也に助けられた優衣は、「まあしょうがないか」とうな垂れた。

 

 ようやく罰ゲームが終わった……。ヒドイ一日だったな。本当にバカらしい……。

 

 

 優衣と和也の元に部員達が集まる。

 

 麻紀が笑いながら優衣に飲み物を手渡してきた。

 

「優衣、お疲れ様。面白かったよ」

 

「うん……」

 

 

「よし、集合」

 

 

 砂場の中心に居る仁が声をかけると、皆は仁の元に集まって座り込んだ。

 

 仁は中心で偉そうに胡坐をかいてしゃべりだす。

 

「二人ともご苦労さん。と言いたいところだが、優衣」

 

 仁は呆れ顔で優衣を見た。

 

「な、何?」

 

「やる気だせ」

 

「出してるよ!!」

 

 優衣が叫ぶと、周りの部員達が一斉に口を出してくる。

 

「どうだか……」

 

「『お姉ちゃんは殺し屋だ』とか言ってなかったか? あれはねえよな」

 

「しかもその後に『こんな可愛いお姉ちゃんが殺し屋に見える?』とか言ってなかった? すげえ気持ち悪ぃんだけど」

 

「ガキなんだよな〜。発想が」

 

 優衣は今までの行動を思い返し、真っ赤になって皆を睨んだ。

 

「殺す! マジですりつぶす!!」

 

 激昂する優衣を見て、修二が間に入る。

 

「まあまあ、最初だし、こんなもんでしょ?」

 

「優衣はよくやったよ」

 

 修二のフォローと麻紀に慰めを受け、優衣はちょっとだけ洋介の気持ちが分かった。

 

 泣きたい。

 


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