罰ゲーム倶楽部 第3ゲーム 


 

 薄暗く、雨の降る街。

 

 そんな街を血を浴びた彩ちゃんが俯いて歩いていた。

 

 ザーザー降りの雨の中、薄い膜が張ってあるように周りの風景はぼやけている。

 

 まだ幼さが残る彩ちゃんのその姿は二年前のものだった。

 

 傘もささず、ずぶぬれになりながら歩くその姿は、泣いているようにも見えた。

 

 

 

 

 

 

「優衣、試合観にいけなくてごめんね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最後のセリフはやけに耳に残った。

 


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